ウエディングベルをつつきたい

夜風BB

友人の結婚披露宴に出た時のこと。

会場には巨大な透明風船が浮かんでいた。 風船の中には小さなハートの風船がたくさん入っている。

あぁあれだ。演出でスパーク・バルーンやるんだな、とわかってしまう。

透明風船には、表面に大きなハートと、その中にウエディング・ベルのプリントが。 ウエディングベル・ハートのシルバー・3フィート。 これまたスパーク・バルーンの定番とわかってしまう。

案の定、宴が佳境に入った時、新郎新婦が棒の先に針が付いた槍のようなものを持って風船のそばまで進み、司会者の掛け声とともに、プリントされたウエディング・ベル目がけてつついた。

(ボムッ!)

破裂音と共に、中のハート・バルーンが四方八方に飛散。会場はやんややんやの大喝采。

別にノン・ポッパーだから言うわけじゃないけど、このヘリウム不足の時期に、ただ割るだけのためにあんなにガス食う3フィート使う演出することないじゃないの? などと言うのは、独身男性の僻みかも知れないけどさぁ…。

宴がお開きになって帰る途中、バルーン・ショップに立ち寄って、あれと全く同じ風船を買った。 ただし、さすがにヘリウムを入れて持って帰る勇気はないけど…。

帰宅して着替えると、早速ブロアで膨らましてみた。たちまちあの時見た大きなハートにウエディング・ベルが現れた。

これをベッドの上に載せて、さて、こちらもスパーク・バルーンと行きますか。と言っても、“スパーク”するのは風船じゃないけどさ。

まず“棒”を用意。といっても、針は付いていない。これで風船をつつくことにする。 ハートの中に描かれたウエディング・ベル目がけて突っつく。

(ツンッ!)

風船はちょっと転がると、戻ってきて棒の先端に当たる。すかさずまた突っつく。これの繰り返し。

ツンツンと突っつく度に、硬く、太くなってくる。

それでも幾ら突いても風船は割れることはない。いや、割れてほしくない。安心して突きまくる。

それにしても、ウエディング・ベルをこんなもので突いているなんて…それを想像すると、だんだんと気持ちよくなってゆき、風船をつつくにも力が入ってくる。

何回か突いて快感を味わった後、風船を両手で押さえて、ウエディング・ベルに先端を擦りつけた。そして、ぐるぐると回すように擦りつけて先端をマッサージ。 擦りつけてコロリコロリと転がすと、だんだんと感じてくる。

それと同時に、擦りつける動作も激しくなる。透明な風船なので、転がされる度にぐるぐると弄ばれる様子がよく見える。

(ああああああああ…)

あぁもう破裂しそう!風船がではない。

棒の先端が膨らんできたのがよくわかる。絶頂までもう少し!

もう出ちゃう!というか行っちゃう!あっあっあっあっあ〜〜〜〜〜〜〜スパーク!

(ドピュシュッ!)

先端からウエディング・ベル目がけて噴射!

(ドピュッ!ドピュッ!ドピュッ!…)

たちまち四方八方に飛散。もちろん、飛散したのは小さなハート・バルーンではない。

(あ゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜行っちゃった!)

ウエディング・ベルには白いものがべったり。

やはりスパーク・バルーンはこうやらないと。