風船好き
「羽田行き231便。搭乗のご案内を開始します。」というアナウンスで彼女は目を覚ました。
彼女の名は葵(あおい)。今日は大阪に住んでいる彼氏と久しぶりのデートをした帰りである。「今日は楽しかったなぁ」
今回のデートは葵の大好きな遊園地だった。しかし葵が嬉しい理由は他にもあった。
「それにしても彼ったら、こんなに買ってくれるなんて。フフフ」
服のポケットから取り出したそれは何とたくさんの風船だった。風船好きの葵のために遊園地で彼が買ってくれたのである。しかしどれも空気は抜かれてしぼんでしまっている。
「あ〜あ。なんで飛行機に風船を持ち込むのってダメなのかな〜」
風船を機内に持ち込めないことを知っている彼氏がわざわざ空港に着く前からヘリウムを抜いておいたのである。
大好きな彼からもらった風船をずっと手元に置いておきたい、そう思った彼女は風船をバックには入れず服の内ポケットに入れておいたまま飛行機へ乗り込んだ。
しかしこれが悲劇?の始まりになろうとは彼女もまだ知らなかった。飛行機の中では離陸した直後の退屈な時間が続いていた。
シートベルトは外せない、音楽を聴くことも出来ないこの時間が葵は苦手だった。「早くシートベルトのサインが消えないかなぁ」
そんなことを思いながら外の景色を眺めていた。しかしそんな退屈な時間は終わりを告げる。
飛行機が上昇を初めて数分後、ついに葵の体に変化が起こった。「キャー!なっなにこれ?」
葵の両胸の辺りが急にモゾモゾと動き始めたのである。動いているというよりはむしろ膨張してきたという表現のほうが正しいだろうか?
みるみる膨らんでいく自分の胸に葵は冷静さを失おうとしていた。「やだっ!ちょっとどうなってるの?」
服の内側にある何かが葵の服を押し上げてきているのである。その速度は非常にゆっくりだが確実に膨らんでいる。
「そうだわ!ふうせんが!!」
そう出発前に服の内ポケットに入れていた風船が気圧の変化で膨らんだのだ。このままでは服が破れて人前で恥ずかしい姿になってしまうかもしれない。最悪の事態から逃れる為、彼女は冷静になって考えた。
「トイレなら誰にも見られずに風船を取り出せるわ」
しかしまだシートベルトのサインが点灯したままである。葵は風船が破裂するかもしれないという恐怖を抑えながらサインが消えるのをじっと待っていた。みるみる膨らむ風船、すでにDカップほどの胸になったかもしれない。本物の胸ならこれほど嬉しいことはない。しかしこれは風船の膨らみ、しかも人前である。
幸い機内は非常に暗く人もまばらで葵の変化を気にする乗客はいないようだ。
そのときやっとシートベルトのサインが消灯した。
すぐにトイレへと向かう葵。普通に歩くと大きくなった胸も目立つ為、できるだけ前屈みになって歩いていく、トイレまでの距離が長く感じる。
やっとトイレに到着し一安心する葵、まずは自分がどうなっているのか確認することにした。
風船はかなり膨らんでいて葵が着ていたシャツを引っ張っりボタンをはじけ飛ばしそうになっていた。
葵はどうすれば風船を取り出すことが出来るかばかり考えていた。
お腹のところから手を入れてそこから風船を取り出せないかやってみたが、胸の部分に入った風船はびくともしない。無理矢理引っ張ったりすると割れてしまいそうだ。
次に服を脱ぐことにした。シャツのボタンに手をかけるもボタンは限界まで引っ張られていて外すことは出来なかった。
冷静さに欠けていた葵は風船の栓を外すことまで考えが回らなかったのである。
どうにかして風船を服から取り出そうとしているうちに10分が経とうとしていた。「お客様!どうかなされましたか?お客様!」
スチュワーデスの声が外から聞こえてきた。あまりに長い間トイレに閉じこもっていたせいか不審に思われたのである。
「あっ!なんでもありません。すぐに出ます!」
そう言って風船のことはあきらめてそのまま出ることにした。しかし何度もトイレに来るのは恥ずかしい、溜まっているものを大急ぎで放出し大あわてで席に戻った。
服の中で膨らんでいく風船を取り出すことはあきらめた葵は就寝用の毛布を借りてとにかく早く目的地に着くことだけを祈ることにした。
毛布を服の上から被れば周りからバレる事もない、地上にさえ降りれば風船もしぼむはずだ。
すっかり安心した葵はシートにもたれかけ、とにかく眠ることにした。しかし葵のハプニングはまだまだ続く「え〜?どうしてなのよぉ」
なんと胸の次は股間が膨らみ始めたのである。どうやらトイレで用をたそうと下着を脱いだとき入り込んだようである。
膨らんできた風船はよりによって葵の一番敏感な部分を刺激始めたのである。「あぁん!そこはダメー!!」
声を出しそうになるのを必死に押さえて耐える葵。快感で刺激されてちょっとでも体を動かすと風船と擦れさらに快感へつながる永久ループ状態だった。
この状態から抜け出すにはとにかく早く目的地に着くことを祈るしかなかった。
風船に体中を圧迫し刺激され続けておかしくなってきた葵はもうどうでも良くなってきた。
むしろこの快感が続く状態がいつまでも続いて欲しいと思うようになっていた。
その思いが届いたのか「当機は乱気流を避ける為、通常高度より上昇いたします」
とアナウンスが流れた。当然、葵の服の中の風船達はさらに大きく膨らんでいった。
「はぁぁん!イイッ!!」
声を出さないように必死ではいるが体は正直だ、自然と腰が上下に動いてしまう。
腰が動くたびに股間の風船は、より葵の肉体に食い込んでいきさらに刺激される。「そこぉ、もっと!もっと!はぁぁぁん!!」
その圧迫感では物足りなった葵は下着が食い込むまで引っ張り、さらなる感触を味わっている。
服の上から少し風船を触るだけの震動が葵の体には敏感に伝わる。「風船がこんなに気持ちいいなんて・・・」
もしかすると彼とのSEXより気持ちいいかもしれない。それ以上に新鮮な刺激だった。
「もっと!もっと続けて!あぁ!はぁっ!あぁー!」
しかしもう飛行場は近い、折角の刺激が終わってしまう。そのとき
「ただいま空港は非常に混んでいる為、当機はしばらく上空にて待機致します。」
アナウンスはもう葵には聞こえていない。
毛布を頭からスッポリとかぶり声を聞かれないようにしていた。
葵の声は徐々に高まっていく「はぁん!あぁん!はぁん!あぁぁん!いやぁん!はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
あえぎ声を口で抑えたまま、一際腰を大きく動かした後、葵は絶頂を迎えた。
<数日後>
「え?浮気?そんなことしないって、あれからまだ2週間も経ってないじゃない」
「心配しなくても大丈夫だから、それじゃぁねバイバ〜イ」葵のベットの上には彼にもらった風船がいくつも膨らまされて置いてある。
「さぁて今日はどうやって遊んじゃおっかな〜」
東京で彼の代わりに葵の性欲を満たしてくれるのは風船であることは言うまでもないだろう。