バルーン・フック

夜風BB

「何これー、ガスボンベじゃないの?」

僕の部屋に入るなり、彼女が言った。

「そうだよ。ヘリウムの」
「何に使うのこれ一体?」
「風船膨らますんだよ」
「バカじゃないの?高かったでしょ」
「まぁね。だから巷じゃできないことやらないと。たとえば…」

僕はピー○ックパンチボールを取りだすと、早速それにガスを入れた。

「それ、お祭りとかで売ってるやつ?」
「そう。売ってるやつはみんな空気でふくらましたやつだけどね」

見事な大きさに膨らんだ孔雀の羽の柄のパンチボール。ノズルを太い輪ゴムで縛って完成。

「これ、いっぺん空気じゃなくてヘリウムで膨らましてみたかったんだ」

すごい浮力で、輪ゴムが伸びきってしまっている。

「わー貸して貸して」
「いいけど、割らないように気を付けてね。これだけガス食う風船だと、もし夜店で買ったら二、三千円はするだろうな」

彼女は輪ゴムを握ってパンチングしようとするが、浮力が強くてなかなかできない。
見かねて僕が

「あーあー、あんまり強く引っ張るとゴムが切れちゃうよ」

と言うと、

「これじゃあ、パンチボールじゃないじゃない。でも面白い」

彼女はパンチボールをブヨンブヨンと揺らして遊んだ。

「さ、そろそろ始めようか。それ、ここに引っ掛けてよ」

と僕が差し出したのは、お○ん○ん。

「ここって…どこ?」
「わかってるクセに。ここの“フック”だよ」
「あっ、なるほどー…って、大丈夫なの?」
「わかんない。やったことないから。ま、害はないでしょ」

彼女はパンチボールの輪ゴムに僕のお○ん○んを通した。とたんに勃起が始まった。

「もういいよ。手そっと離して」

と彼女に指示する。パンチボールで視界を遮られているが、お○ん○んが浮力を感じて硬くなってゆく。

「あ…あ…あっ」

僕は思わず声を上げた。どうやらお○ん○んが棒になって、浮力に抗しきれずに先端が
上に向き始めているらしい。輪ゴムがズルズルと亀○の方にずれ動いてゆくのがわかる。

「さぁどこまで耐えられるでしょうかー」

などと彼女がのんきなことを言う。

「この風船飛んだら、捕まえて」
「うん、わかった」

輪ゴムはとうとう亀○の所にまで来た。あと少し。あぁもう耐えられない。けど、ここが一番気持ちいい。

ブルン!

ついに棒が上下に撓り、パンチボールが勢いよく飛び出した。

「あっ」

あまりの勢いに、彼女は捕まえ損ねた。結局パンチボールは天井まで飛んで行ってしまった。

「あ〜あ、飛んでっちゃった。一度これやってみたかったんだ」
「面白ーい。私もやりたい」
「えっ、どうやって?」
「ここに“フック”があるじゃない」

と言って彼女が指さしたのは、胸だった。

「なるほど。その胸ポチに引っ掛けるのね。でもパンチボールじゃ浮力が強すぎるから」

僕は適当な大きさのゴム風船をガスでふくらました。パンチボールよりは小さいが、膨らましたばかりの風船は割りと元気がいい。これに糸と、その先に小さな輪ゴムを付けた。

「じゃ、“フック”出して、そこに座ってよ」

僕は彼女の乳首に風船の輪ゴムを引っかけた。

「どう、感じる?」
「何かちょっと今一つなのよねー」
「勃起すりゃ感じるよきっと」

僕はピンクローターを取り出して、電源を入れた。

「何そんなの持ってるの?」
「いいからいいから。おとなしくしてなよ」

僕はローターで彼女の乳輪をしつこく攻めた。けど乳首は攻めなかった。
あと少しでローターが乳首に触れる、という所まで近づけながら触れなかった。
するとやっぱり。早く乳首に触れて!と言わんばかりに乳首の勃起が始まった。

「乳首立ってきちゃった」
「まだまだ。じっとしてなよ」

勃起した乳首が徐々に上に向きだす。すると風船の輪ゴムが乳首の先端に向けて動き出した。

「あ…あ…あっ」

輪ゴムが乳首の先端まで来た。もう飛びそう。でもまだ残している。
多分、彼女もここが一番気持ちいいんだろう。
見ている僕も気持ち良くなってしまう。

プルン!

輪ゴムが乳首を弾いた。風船が飛んで行ってしまうが、彼女は捕まえようともしない。
天井に上がった風船を見上げて、満足そうな表情を浮かべた。

「ねぇ、風船、もっと膨らまそ!」
「あれー?さっきはバカじゃないのって言ってたじゃない」
「でも楽しいんだもん。早く早く」

こうして僕はゴム風船を何個も膨らました。一体何個膨らましたかは忘れたけど、
彼女の手には特大のバルーン・ブーケができた。

「デパートでよく風船配ってる人いるじゃない。あんなにたくさんの風船、一度持ってみたかったの」
「じゃあ、それ持ちながらそろそろ“本番”行こうよ」

僕は天井に上がったパンチボールをつかむと、再び太い輪ゴムに棒を通し、
そのまま彼女の“穴”へと挿入した。
ピストン運動をすると、彼女の手に持ったバルーン・ブーケが激しく揺れた。

「あっ、あっ、あーっ、もう…」
「あっ、…僕も行きそう…」

次の瞬間、彼女はバルーンをリリースした。大量の風船が天井に当たった。
一個一個だとポンポンと軽い音なのに、これだけの数だとさすがに大音響になる。

「…行っちゃった…風船も私も」
「良かった…こんなにたくさんの風船、外に飛ばしたら勿体ないもんね」

僕は棒を穴から抜いた。しなびた棒にはもはや浮力に抗する力もなく、パンチボールはブルンと棒を弾いて天井へ飛んでいった。
その時、棒に残っていた白いしぶきが僕の顔にかかった。