60's Sailing Club! 2009 春のレガッタ

2009.3.21

2009年3月21日、穏やかな春の一日、岐阜県T市某池において、60's Sailing Club!春のレガッタを開催しました。
今回はいつものメンバーに加え、掲示板を見られたEMC2さんがクラシックなスケール・ヨットを持って南区から初参加、また、以前からヨットが気になっていたという3名が見学に来られ、大勢で楽しい走行会になりました。

タイトル写真をクリックすると印刷用の大きなデータが開きます

午前11時、すでに走行を開始していたoki兄弟をはじめ、次第に皆さんが集まり始めました。

昼まではほとんど風が無く、今のうちに、と取り出したのは小型の電動水上機、前回方向安定不足でスパイラルに入り墜落したトーイさんのパイパーカブは、垂直安定板を増積してリベンジ!今回は安定したすばらしい飛行を見せました。

今回の目玉? 初参加、EMC2さんのヨットに見入る皆さん
FRPのハルにマホガニーの薄板を丁寧に貼り付けた船体は、優美な2本(3本)マストの帆と相まって素晴らしい質感です。
飾っておくだけでも満足できそうな船を次々と水面に投入。前後の帆を別々にコントロールすることが出来るスクーナー・ヨットは、弱風の中あまり変な癖も無く優雅に走行します。
皆さんも交代でプロポを握らせてもらい、初めてのスクーナー・ヨットの操船を堪能させてもらいました。
いつも一人で走行を楽しんでおられるというEMC2さんは、手塩にかけた自分の船がはじめて並走する姿に感激!
昼になり、多少風も出てきたところでレースの開始です。
SEAWIND、CR-914の速さは別格として、4艇のFAIRWINDは抜きつ抜かれつの接近戦を展開します。以外だったのは(失礼!)EMC2さんのスクーナー・ヨットの速いこと!
初心者も多い走行会では水上での衝突も少なからずあります。
過去には横腹に衝突されたヨットに大穴が開き沈没した事例も・・・
もちろん接触しないように注意するマナーも大切ですが、もしもの衝突に備えて船首にこのようなバンパーを着けることが推奨されます。
ちょっとスケール艇には似合わないのは確か。しかし、破損、沈没事故が起こるよりはいいでしょう。みなさん、バンパーをつけましょう!
 
では、走行中の写真をいくつか掲載します

ここで今回のメンバーをご紹介(順不同です)

トーイさん

遠く、美濃白川より参加。パイパーカブの飛行成功に気を良くして、ご自慢のヨットを颯爽と進水させたまでは良かったが・・・・
なぜか艇はノーコンで向こう岸へ。
で、手のひらの上に愛艇が!
(夕方このために呼び出されたWAT氏により回収されました)

ミノリッチさん

ピカピカに塗装されたFAIRWINDを持って参加。
操船、調整技術もどんどん腕を上げています。

K氏

FAIRWINDとSEAWIND、2艇で参加。
走行性能の違いを楽しんだり、見学者に艇を操縦させたりしてくださいました。

Su氏

古いFAIRWINDを大事にメンテナンスして参加してくださいます。
昨年、大穴を開けられて沈没したのはこの艇。修理、補強して復活!まだまだ現役です。

oki弟氏

真っ白なSEAWIND、といえば聞こえはいいが、要は化粧っけなし、デカルもなし!(笑)

oki兄氏は、時々弟氏の船を借りて楽しんでおられました。
「次回までには兄者の舟が増殖してるかも〜」 by 弟氏
空者氏は、前日のグライダー遠征から帰ったばかり!
今回はK氏のFAIRWINDを借りてレガッタに参加です。
シゲちゃん

西三河より参加。艇は派手なCR-914。セールが閉じない、舵が切れないなどのトラブルに見舞われながらもそれを乗り越え楽しんでおられました。

そして、EMC2さん

クラシックなヨットばかり4艇を持って参加。
右端の1本マストの艇はFAIRWINDです。綺麗に板張りするとまるで雰囲気が違いますね!

 
見学の3人、左から、かみ〜さん(左)、あんさん、Failyさん

  

「見ているだけではつまらんやろ〜」ということで、それぞれにプロポを渡され、初めてのヨットの操船を楽しんでいました。
本当は、オーナーが長時間の操船に飽きただけだったりして・・・(笑)
初めての体験で完全に「はまった」方もいらっしゃったようで、次回のレガッタには新艇が登場するかも!

CIVILはいつものFAIRWINDです。

本日初参加、EMC2さん拘りのヨットたちとそのディテールをご紹介!
EMMA.C.BERRY号は外国製バルサ
キットより製作。しかし材料は殆ど
取り替えたとか
自作のEMC2号
グラス胴体を自作し、丁寧に板張り
で仕上げたもの。さすが!
FAIRWINDがベースの Mrs.AYOKO
このように仕上げると全然雰囲気が
違いますね
EMMA.C.BERRY号に搭載された
小型ボートにはちゃんとオールや
バケツまで・・・
こちらは船首
錨やウインチなどがそれらしい!
マストのブームにもこだわりが・・・
こちらはEMC2号を船尾から
GPSのアンテナ風造形がプロポの
スイッチになってます
航法灯も再現
ちゃんと右舷(写真)は緑、左舷は赤
ロープをかける滑車部分も自作
溜息が出ますね!
板張りで仕上げられたFAIRWIND
艇には奥様の名前が。

このような帆船が活躍したであろう大航海時代について、シゲちゃんから投稿をいただきましたので、一部抜粋して掲載させていただきます。

大航海時代の資金の基盤は直接的にも間接的にもハプスブルク家の財力に拠るところとなります。 ハプスブルク家は商人ですが、国家の予算を遥かにしのぐ莫大な富をもち、それを背景に当時のドイツ、フランス国などに政治力だけなく、中世ヨーロッパ文化の発展にも多大な影響力を持って、豪勢なバロック・ロココ文化を開いた立役者だそうです。

その先鋒となった大航海時代の黎明期は、15世紀頃から商業が栄えて国力が高かったスペイン、ポルトガルが中心に始まりました。 両国は、さらに力を得るために新大陸の黄金卿エルドラド伝説の実現、極東アジアの黄金の国(東方見聞録)への航路の開拓を目指していました。アメリカ新大陸の発見は、ジパングへの航路を開拓しようとして、つい発見してしまったことと伝えられています。でも、その新大陸も、実は北欧のバイキングがすでに交易していたという史実もあるようですが。

15世紀頃の大航海時代を迎えるまでは、波が穏やかな地中海や、北海、バルト海の沿岸で機動性を発揮していた戦闘用の船、ガレイ船(全長20mくらいまでで細長く、喫水が浅く、奴隷に櫂を握らせて風の無いときにも進めた)が主に使われていたようです。

大航海時代になって長期にわたる航海ができ、大洋の荒波に沈まないように発展した大型のずんぐりむっくりのカラック船(全長は50m、排水量も1000tonを超えるものに発達していきました。 新大陸発見(一応、コロンブス(サンタ・マリア号、100ton)となっているが、北欧の海賊達(ビッケ)は既に交易していたとする説も有力)や、マジェラン海峡迂回で世界一周(ビクトリア号)、希望峰を最初に回ってインド洋に達した船はこれらです。

海路が定まると物資の大量輸送化、高速化が勝負となり、船体はさらに大型化、スリム化されて、帆船の黄金時代が到来しました。これは、産業革命で蒸気機関が船舶の動力に応用されていく19世紀まで続きました。 帆船の黄金時代は、商船のみならず、各国戦艦の華やかさを彩るものでした。国力を誇示するために、艦橋は高くなり、周りには豪華な彫刻が施され、船首には航海の安全を祈るための彫刻(フィギュア・ヘッド)が付きました。
有名な例として、フランス艦隊のソレイユ・ロワイヤルがあります。このような豪華な艦船は、船に搭載された大砲の性能向上とともに、標的にしかならないことから次第に目立たないように大人しく、機能的になっていきました。 その代表例がイギリスのビクトリー号、キール長45m、カノン砲を120基も備えておきながら装飾を廃したため豪華さは無くなった船です。 ナポレオン1世とトラファルガーの戦いで、ネルソン艦隊司令長官が乗船した1等軍艦です。

帆船模型マニアでは、このころの豪華で複雑な大型戦列艦こそ避けて通れぬ題材ですね。

これらの船は残念ながらラジコンで操船するには難しそうです。 帆が小さく数が多くなって帆の効率が落ちるので、模型では帆走性能は悪くなるでしょうね。

ちなみに、なぜ実艇にはあんなに多くの帆があるかというと、羽布の引張り強度に限界があって、帆の一枚の大きさに限界がくるので、排水量が100tonを超え1000tonも超える船には帆の数を増やすしか手が無かったからだそうです。

by シゲちゃん

 

ミノリッチさん のホームページにも素晴らしい写真やビデオが公開されています。こちらもご参照ください。

今回の写真の多くは「シゲちゃん」に提供していただきました。感謝!


  
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