「ご寄稿」

模型の楽しさ、科学する心の大切さを未来へつなげ隊! in US

(M@小まっき、M@Kが原)

2021.10.27

Episode 4(前編)

Episode-4は、WA州の州都シアトルのダウンタウンに程近いU湖(Lake Union:※)特集です。
そのオープニングを飾る写真は、天井から下駄履きビーバーの模型がぶら下がっているこちらのお洒落なお店(?)・・・

※:レイク・ユニオン
   ↓
https://www.junglecity.com/neighborhoods/area-lake-union-eastlake/
https://en.wikipedia.org/wiki/Lake_Union

2021/09/05(Sun) 08:38:17 [ No.6153 ]

洗練された小綺麗なフロアに各種ウエアー類や小物グッズなどが所狭しと並んでいるので、ブティックか何かかしら?・・・
と思ってしまう人もいるかも知れませんが、実はそれらをよく見ると全て水上機グッズ。
ここはU湖の南岸に位置する kenmore Air(※)の水上機ターミナルです。
冒頭にご紹介した写真はそのチェックインカウンターと搭乗待合ロビー。シアトルのU湖を起点としてPNW方面の島々やバンクーバーなどを定期航空路線で結んでおり、地元民や観光客そしてビジネスマンなど多くの人が利用しています。
アメリカ滞在中、水上機命の私としては仕事なんかそっちのけ(笑)で足繁くこちらを訪れていました。
(最終回のEpisode-5は水上機で巡るPNW紀行をお届け予定です。)

https://www.kenmoreair.com/

2021/09/05(Sun) 20:12:09 [ No.6154 ]

シアトルのダウンタウンとU湖南岸の間はこの路面電車 kenmore号(私が勝手に名前を付けました。:笑)が結んでいます。
これはシアトル市が運営する公営交通機関なのですが、U湖を起点として定期航空路線を運航している kenmore Air 社にとっても水上機発着ターミナルまでの足として必要不可欠な存在であり、利用客増を目指す双方のメリットがうまく繋がっている関係にあります。だからこの様な形で主要広告主となっているんですよ〜

ここでは水上機は古き良き時代の遺物・・・などということでは無く今でも一般利用客のための交通機関として立派に活躍しています。その背景にはこの様な交通ネットワーク連携施策などがしっかり考えられているという面がある事を忘れてはなりません。
日本の交通政策当局にもこの様な事例を是非見習って欲しいんだけどな〜〜っと思いながら、アメリカで3年間暮らしていた私です。

2021/09/05(Sun) 22:04:44 [ No.6155 ]

kenmore Air の水上機ターミナルのすぐ目の前には親水公園が整備されており、その中の一画にウッドゥンボートセンターなる準公的施設があります。
そこを会場として開催されたかなり趣味的なイベント、「ウッドゥンボートフェスティバル」をご紹介します。

2021/09/06(Mon) 22:55:57 [ No.6156 ]

親水公園内に整備された池(※)で、小さい子供にRCヨットを指導しているこのおじさん。
「あそこのブイをターンする時はね・・・」などと言いながら、風向きに対するセールの開き具合や舵を切るタイミングなどをアドバイスしていたんだろうと思います。
(※:実はこの池、見る人が見れば分かるんですが、様々な面を考慮してうまく設計されています。日本人の発想では作り得ないとても素晴らしいものなんですよ〜)

アメリカ見聞録の総集編にふさわしい写真として厳選のうえこれを選んだ理由は、今回の連載投稿で私が掲げたテーマに連なるとても絵になる場面だったから・・というだけではありません。

実は、その指さす方向の更に先には・・・

2021/09/06(Mon) 23:22:08 [ No.6157 ]

上記写真の指さす方向に進んで行くとご覧の様な光景が広がり、すぐ目の前に水上機ターミナルがあります。

前述の様に Lake Union を頻繁に訪れていた私ですが、水上機三昧のPNW(※)の島巡りの行き帰りの際、偶然出会ったのがこのイベント。
下駄履きビーバーで Lake Union に降り立ったその時、すぐ目の前に優雅なクラシカルヨットと人だかりを発見。一体何のイベントかしら?・・・と思い、立ち寄ってみたのがきっかけでした。

ヨットと水上機の会心のツーショット写真。これは私にとって忘れられない一枚です。 (ミノリッチさ〜ん、見てますか〜〜?、G県M湖のヨット&水上機も忘れないで下さいね!)

※:Pacific No・・・
  ↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/太平洋岸北西部

2021/09/07(Tue) 00:08:45 [ No.6158 ]

このイベントは実に内容盛り沢山で、その全てをご紹介することはとても出来ません。そのため私の独断と偏見で概要(?)をざっくりご説明させていただきます。

<写真左上>
とても趣味的な木製クラシカルヨットに乗船し、湾内(※1)でショートセイリングを体験することが出来ます。

<写真右上>
帆走の原理、各セイルの仕組みや名称、そして具体的操作方法などを大きな帆船模型(もしかしたら人が乗れるかも?)で解説するコーナーです。

<写真左下>
レイクユニオンウッドゥンボートセンターが誇る木製RCヨット船隊、そしてその機動部隊を各地で展開するための母艦(みたいなスーパーキャリアー?)です。

<写真右下>
未来のセイラー候補(?)がRCヨット(※2)でいざ大海原・・・じゃなかった、親水公園内の池でセーリングに挑戦します。

※1:Lake Unionはその名のとおり一応湖なのですが、外海のピュージェット湾(※3)と運河でつながっているんですよ〜。そのため、静穏な水面を活かして漁港や造船の町として発展してきた歴史があります。
 なお、この湖と外海が繋がっている光景についてはこの後ご紹介いたします。

※2:写真の立て看板に書いてある名前ですが、日本人が呼ぶところの「ヨット」は SailBoat がこちらでの一般的名称です。
  このイベントがボートフェスティバルなのに写真に登場するのはヨットばかりなので、日本人的感覚からすると何故?・・と思うかも知れませんが、本来のBoatという言葉はそれらの両方を含む総称。
  動力で走る船が PowerBoat、そして風の力で走る船が SailBoat です。
  ちなみに、日本人が呼ぶところの「グライダー」は SailPlane がこちらでの一般的名称です。

※3:ピュージェット湾
   ↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/ピュージェット湾

2021/09/08(Wed) 06:33:13 [ No.6159 ]

<写真左上>
ボートの作り方の指導の前にまず最初に木材が必要となるため、その切り出し方など基本の部分からしっかり指導するワークショップ。
シアトルはもともと材木の集積と製材業がきっかけになって発展した街なので、この様な木に対するこだわりはとっても半端無いです。

<写真右上>
ウッドゥンボートセンター館内の常設ワークショップ。ここでは年間を通じ小型の木製 SailBoat の作り方を指導しています。

<写真左下>
1930年頃のアメリカズカップ "J-Class" の歴史と現代のリバイバル(※1)を紹介するパネル展示です。
最近のアメリカズカップは両舷に配した水中翼をアクチュエーターで巧みにコントロール出来る仕組みを備え、そのスピードアップぶりは非常に劇的で目を見張るものがあります。しかし、搭乗クルーの役割や動きなどを見ていると何だかちょっと複雑な心境の今日この頃。むしろこのJ-Classの方に強く心惹かれてしまうのは、自分でも知らぬ間にすっかり齢をとってしまったからなのかも知れません。しかし、未来に伝えたいのは技術のたゆまぬ進歩・発展に向けたモノづくりの心だけでは無く、古き良き時代の文化もまた然り・・・、と私は思うんです。

<写真右下>
木製のパワーボート"クリスクラフト"(※2)を紹介するパネル展示です。
現代のいわゆるプレジャーボートはFRP製が主流で圧倒的多数を占めていますが、木製ならでは手触りや温かみなどを愛し続ける人も確実に存在しています。

※1:Jクラスにご興味がある方はこちら!
   ↓
https://en.wikipedia.org/wiki/J-class_yacht
https://www.jclassyachts.com/
https://www.youtube.com/watch?v=UGcEezMzMRo

※2:クリスクラフトにご興味がある方はこちら!
   ↓
https://www.chriscraft-japan.com/about/index.html
https://www.chriscraft.com/our-story/heritage/

2021/09/09(Thu) 06:30:47 [ No.6161 ]

このRCヨットは、Tippecanoe社のT37(※)で間違いないと思います。全米各地にそれ専門のコミュニティーがあり、ワンメイクレースなども多数開催されているみたいですね。

この困った新コロ渦の昨今の状況・・・
RC遠征や旅行などもままならず窮屈な日々をお過ごしの方が多いと存じますが、せめてWeb上でバーチャルトリップを楽しんでいただければ幸いです。
この後の最終回 Epispde-5 ではサンファン諸島の島々や現地で出会ったサプライズRC模型などにご案内しますので、どうぞご期待ください。

※:T37にご興味がある方はこちら!
   ↓
https://sailingisme.com/products/t37-radio-controlled-racing-sloop
https://www.bing.com/videos/search?q=T37+RC+Sailboat&&vie ..... ORM=VDRVRV
https://www.bing.com/videos/search?q=T37+RC+Sailboat&docid=60 ..... ;FORM=VIRE
(これらの動画を見ていると、平板を組み合わせた単純な形状の割には本当に良く走っていますね!)

2021/09/14(Tue) 04:52:47 [ No.6164 ]

レイク・ユニオンで出会ったイベント「ウッドゥンボートフェスティバル」の締めくくりは、ご覧のアンリミテッドパワーボートの写真。
ピッカピカに磨き上げられた美しい木目と超デカいエンジンを誇示するこのボートは、1950〜60年頃のレースで活躍した有名な船みたいです。(昔ながらのRCボートマニアの方なら、この様なスタイルの木製キットがあったのを覚えていますよね!)
終戦後、要らなくなっちゃったムスタングなどの戦闘機からエンジンを取り降ろしてきて、1000馬力超のこんなモンスターマシンでスピードを競い合っていたとのこと。アメリカ人のやることは本当にビックリ仰天です。

(このEpisode-4ではご紹介したい写真などが盛り沢山でスレが縦に長〜くなって来たため、ここで一旦ひと区切りとしてこの続きは-4後編とさせていただきます。)


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