「ご寄稿」
模型の楽しさ、科学する心の大切さを未来へつなげ隊! in US
(M@小まっき、M@Kが原)
2021.10.27
Episode 5(後編)
最終章・Episode-5の後編は、私がB.C.バンクーバー島(※)で見聞きした事柄などをまとめてご紹介します。 ご覧の写真は、ファイナルアプローチ中のDHC-3オッターから見たビクトリア港の様子です。
左上あたりに見えるのがブリティッシュコロンビア州議事堂。そして、真ん中に写っているのが水上機ターミナルです。
こちらのターミナルにはケンモア・エアーやハーバー・エアーをはじめ各地からの水上機路線が乗り入れ、それらによる交通ネットワークの拠点になっています。あっ、そういえば、ここは既に国境を越えたカナダ。投稿タイトルのUSAとはちょっとだけ違うかも知れません。
しかし、先にご紹介したサンファン諸島よりもだいぶ南側に位置します。両国の生い立ちの複雑な歴史に起因する境界紛争と政治決着の結果生じた訳の分からない国境線による問題なので、とりあえずこの場ではUSAでもカナダでもどっちでもいいやっ、みたいなゆる〜い理解をしていただけると幸いです。(笑)※:バンクーバー島について知りたい方はこちら!
↓
https://tabinaka.co.jp/magazine/articles/80676
https://files.tourismvictoria.com/s3fs-public/tvic_trade_gettinghere_itinerary_japan_web.pdf
https://jp-keepexploring.canada.travel/things-to-do/3-day-victoria-getaway2021/10/14(Thu) 20:50:24 [ No.6223 ]
上記の水上機ターミナルのすぐお隣にぷかぷかと浮いている水上レストラン。その名も"Flying Otter"です。
水上機好きの心をくすぐる名前や細部のお洒落な演出などに惹かれ、このゲートをくぐってお店に入ってみました。2021/10/14(Thu) 21:04:16 [ No.6224 ]
※ バンクーバー島、昔、嫁さんと旅行で行ったことがあります。
あとから写真を見直すと、記念写真にちゃんと写ってました、水上機!
当時はあまり気にしてなかったもんなぁ・・・
知ってたらこのレストランも行きたかったな。店内に入ると、上の写真のFlying OtterのロゴデザインをあしらったTシャツを着た凄〜く綺麗な店員さんにエスコートされ、海沿いに視界が開けた席に案内されました。
そこはご覧の通り水上機桟橋のすぐ目の前。
程なくして運ばれてきた本場英国流のフィッシュ&チップスとビールはとっても美味で、ビーバーやオッターが発着する様子を眺めながらそれらを味わうゆったりとした時間は、決して忘れられない至福の時でした。2021/10/14(Thu) 21:08:07 [ No.6225 ]
バンクーバー島では心残りの事柄などが幾つか有ります。その一つが、ハーバー・エアーのマスコットキャラ・ターボオッター君。
ビクトリアの水上機ターミナルのお土産コーナーで発見し思わず衝動買いしそうになったのですが、どうせまたすぐ近いうちに来る予定だからその時でいいやっ、と考え直し結局買わずに帰ってしまったのでした。その後、例の新コロ渦によって全ての計画が狂い、想いを果たせぬまま日本に帰国して現在に至っています。(T_T)(涙)ちなみに、このターボオッター君、公式ホームページによる説明は以下の通り。結構笑えます。
Turbo is a river otter, just like the otters that live and play around our seaplane docks!
Turbo is named after our planes- we fly the de Havilland DHC-3 “Turbo” Single Otter seaplanes!
Turbo loves to fly, give high fives and make people smile!どうしても今すぐ欲しい方は、ポチッといっちゃって下さい。(笑)
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https://www.ontheflyboutique.com/product/turbo-plush-toy/2021/10/14(Thu) 21:11:38 [ No.6226 ]
こちらはバンクーバー島のシドニーという郊外の田舎町にあるブリティッシュコロンビア航空博物館(※)です。
実は、もう一つの心残りはこの博物館から徒歩数分のところにある本格的インド料理屋さん。
Civil塾長に負けない様、ワールドワイドに食文化の探求(?)に励んでいる私としては、是非とも海外特派員としての重要な役割を果たすべく現地レポートをお届けしようと思っていたのですが、上記と全く同じ事情で、また近いうちに・・・というのが急に無くなってしまいその想いを果たすことが出来ていません。(T_T)(再び涙)※:ブリティッシュコロンビア航空博物館にご興味がある方はこちら!
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https://www.bcam.net/2021/10/16(Sat) 07:12:32 [ No.6230 ]
ブリティッシュコロンビア航空博物館のエントランスロビー。
その天井にはお約束の様にビーバーとオッターが仲良くぶら下がっていました。この機体がRC機なのか、それともディスプレイ用ソリッドモデルなのか確かめるため天井を見上げて細部まで良く観察していたところ、知らぬ間に足元で擦り擦りして来る何やらもふもふの存在が・・・
2021/10/16(Sat) 07:15:13 [ No.6231 ]
こちらがそのもふもふ、名誉館長兼館内ネズミ除去係長です。お名前は何だったか忘れてしまいましたが、名誉館長直々に大変丁寧なお出迎えをいただき、びっくりでした。
その日の宿泊ホテルに着いてからネットで調べてみたところ、博物館の常連達の間ではこの名誉館長はとても有名な存在。
「本日の名誉館長のひとこと・・・」(笑)みたいな感じでフェイスブックやら何やらを連日賑わしていて、ホテルの一室でひとりで大笑いしたことが良い思い出となっています。2021/10/16(Sat) 07:17:09 [ No.6232 ]
アブロ・カナダ CF-105 アロー(※)に関する展示です。
当時のカナダ航空機産業界の叡智を結集し、5機の試作機が作られました。そして飛行試験を実施したところ世界最高レベルの性能を発揮し、その後の展開に期待が高まりました。しかしながら、様々な事情により量産まで進むことなく試作機は廃棄処分となってしまったとのこと。今から6年ほど前、カナダの首都・オタワの航空宇宙博物館を訪れた際にこの実機(の残骸の一部)と対面し、それ以来私の心に文字通り矢の様に突き刺さっている何とも切ないアローの結末。かくも美しく気高い飛行機を作り上げたことをカナダ人は密かな誇りとして胸に刻み、そして残念な歴史の一幕として多くの国民の間で語り継がれているみたいです。
(あっ、もしかしたら・・・、どこかの某プロジェクトの方もこの話と似た様な残念な歴史として後世に語り継がれちゃうのかしらぁ〜〜〜)(T_T)(三度目の涙)
※:CF-105 アローにご興味がある方はこちら!
↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/アブロ・カナダ_CF-105
https://www.youtube.com/watch?v=p4mi7ywtP5s
https://www.youtube.com/watch?v=niXiutL70XE2021/10/16(Sat) 07:27:07 [ No.6233 ]
この博物館は、その立地や現在に至るまでの経緯などから水上機との縁が深く、模型や実機の展示物のうちかなりの部分を水上機が占めています。
ところで、右下の写真のフロート、テトラさんのバルサキットに見えてしまうのは私だけでしょうか?(笑)2021/10/17(Sun) 07:38:34 [ No.6236 ]
博物館内のレストアルームを覗いたら、ちょうどマーリンエンジンを分解している最中でした。
解説員さんに聞いた話では「これは本家本元のロールスじゃなくて、北米でライセンス生産したパッカードだよ!」みたいな事を言ってましたっけ。
それにしてもマーリンエンジンの分解をこんなに間近で見たのは初めてでした。2021/10/17(Sun) 07:41:27 [ No.6237 ]
最終章・Episode-5もいよいよ感動(?)のクライマックスとなります。 左上の写真はリパブリック RC-3 シービー(※1)です。水上機マニアの間では結構有名な機体ですよね!
右上の写真は、そのシービーをベースに発展型として開発されたTrident社のTR-1 Trigull(トライガル)です。基本構成は踏襲しつつ、時代に見合った細部の設計変更や装備品の改良などを加え、試作機を何機か作って開発試験を進めていたとのこと。しかし、もう少しで型式証明取得というところまで来た時、例によって開発に時間がかかり過ぎ、費用が嵩み過ぎでついに会社自体がダウンしてしまったのでした。
私としてはこれまた何とも突き刺さる切ない結末で大変残念な歴史・・・、と書きそうなところですが、実は、ここは涙(T_T)の場面ではありません。なぜなら、この先に新たなる希望の物語が繋がっているからなのです。このトライガルに興味を持ち細部までじっくり見ていたところ、年配の解説員さんが私のところにやって来て次の様に語り始めました。
「この展示機は複数残してある試作機の一つなんだよ! 残りの試作機はこの博物館の裏側の建物に大切に保管されているんだ。その裏側の建物というのはバイキング・エアという会社でね、Trident社の負債や試作機、そして設計図・製造図面などありとあらゆる全ての権利を買い取って継承したのさ。今では有効な型式証明と製造権を持っているから、この機体についてもっと詳しく知りたいなら行ってみなよ!(ざっくり意訳)」※1:リパブリック RC-3 シービー
↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/リパブリック_RC-3_シービー※2:Trident TR-1 Trigull
↓
https://en.wikipedia.org/wiki/Trident_TR-1_Trigull2021/10/17(Sun) 07:46:01 [ No.6238 ]
上記の年配解説員さんの話に俄然興味を持ち、バイキング・エアという会社までの最短経路を教えてもらいました。
この博物館はまた近いうちにいつでも見に来れるから他の展示物は後でもいいや〜っと思い、さっそくバイキング・エア社に向かって歩き始めてみると、その道路には「デ・ハビランド通り」という標識が立っているではありませんか。
私は何やら運命の様な、まるで見えない力に導かれている様な感覚でした。(本当の話です。)2021/10/17(Sun) 07:48:06 [ No.6239 ]
こちらがバイキング・エア社の社屋です。
ご興味がある方は、カナダ国旗のすぐ右下あたり、建物の角っこ部分の造作を良くご覧いただきたいです。
DとHの文字が掘り込んであるのが分かりますでしょうか?2021/10/17(Sun) 07:49:32 [ No.6240 ]
バイキング・エア社のエントランスにやってまいりました。
光り輝くピカピカのドアノブがデ・ハビランド社章の飛行機の形になっているので、またまたびっくり!
アポなしの突撃訪問のためどうなる事やらと思いながら恐る恐るドアを開けて中に入ってみると、意外にも受付のお姉さんに丁寧な対応をしていただくことが出来ました。いきなり突然の事なので流石に工場見学などは無理でしたが・・・
そして、「好評販売中のお勧め商品は今はこちらになります。ついでにフロートなどのオプションはいかがですか?」(マクドナルド?笑)みたいなやりとりの後、カタログやちょっとしたグッズ類などをゲットし嬉々として帰って来たのでした。なお、このドアの内側の写真を私がネット上にUpしてしまうと、特定秘密保護法などに抵触してお縄頂戴の身になってしまう可能性があるため、割愛させていただきます。もしご興味がある方は下記公式ページをご覧下さい。
バイキング・エア社やデ・ハビランド・カナダにご興味がある方はこちら!
↓
https://www.vikingair.com/
https://www.vikingair.com/company-careers/de-havilland-story
https://dehavilland.com/en/about-us2021/10/17(Sun) 07:51:45 [ No.6241 ]
博物館の見学、そしてバイキング・エア社への突撃訪問を敢行した激動のこの一日。
宿泊ホテルに戻ってから戦利品をつまみにカナダの定番ビール・Rabatt Blue(※)で晩餐(?)した時の写真です。
飲みながらネットで色々調べてみたところ、先のトライガルに加え、DHC-2ビーバー、DHC-3オッター、DHC-6ツインオッター、それからカナデアCL-415など、数々の水上機の型式証明と製造権をさっき訪れたバイキング・エア社が保有していることが分かりました。
そればかりではありません、驚くことにデ・ハビランド・カナダの商標権まで取得してしまったとのこと。戦後の航空機メーカーの再編整理と買収劇は凄まじく、何がどうなっていて、それから元々の人達は今どうしてるのかさっぱり分かりません。この日は散々歩き回って疲れてしまい、心地良いRabatt Blueの酔いなどもあってこのカタログを開いたまま眠りに落ちてしまった様です。
その時、私は夢うつつの中できっと次の様につぶやいていたに違いありません。うぅ〜ん、水上機の未来よ、永遠なれぇ〜! むにゃむにゃ〜・・・ m(_ _)..zzZZZ
この後、全世界的新コロ渦による大混乱であらゆることが制約され、自分の思い通り行動することが出来なくなってしまいました。しかし、いずれ世の中が正常に戻った暁には必ずやまたバンクーバー島を訪れ、もっと色々なことを見聞きし、そして存分に飲んで食べたいと考えています。
※:Rabatt Blue
↓
https://www.labattusa.com/product/labatt-blue/〜 〜 〜 FINE 〜 〜 〜