コンピューター・プロポ設定術 総合編

もうすっかり一般的になっているコンピューター・プロポ
豊富な設定機能を持ち、信頼性も高く、価格は安く、多くの皆さんが使っておられることと思います。
しかし、豊富な機能を使いこなすのはなかなか大変!
ここでは一例として、JR PCM−9XII でモーターグライダー MDM−1 FOX用に私が設定した方法を公開します。


「基本的な考え方」

FOXは、通常型の尾翼を持ち、左右独立したエルロン、スポイラー、モーター・コントロール、トウ・フックを装備します。フラップはありません。
競技用グライダーのようなきめ細かいキャンバーコントロールはしませんが、ダイブして遊ぶためのSPEEDモード、サーマルソアリングを楽しむためのCRUISEモードは設定します。
モーターのコントロールはスイッチではなくスロットル・スティックで、
ランディングモードではスポイラーとモーターのコントロールがスロットル・スティックでシームレスに行えるようプログラムします。
エアロ・トーイング用にトウフックを装備し、GEAR SW でロック/リリースができるようにします。

「必要なチャンネル(サーボ)数等」

機能 接続CH 呼称CH 合計
・左エルロン THRO LAIL
・右エルロン AILE RAIL
・エレベーター ELEV ELEV
・ラダー RUDD RUDD
・モーター GEAR MOTO
・トウフック AUX1 FLAP
・スポイラー AUX2 AUX2 7ch、6Servo、1AMP

最低7ch必要ということで、受信機は小型シンセサイザー式のRS−77Sを使用しました。
では具体的にプロポの設定方法に入ります。
(この設定方法は私個人の好みであり、他にもっと適切な方法もありうることをお断りしておきます)


「システム設定モード」

TYPE SELECT →グライダー(GLID)モード

モーターグライダーということで、飛行機またはグライダーモードに設定します。
グライダーモードを選んだ理由は、デフォルトでエルロンが2サーボのフラッペロンに設定されるということと、何よりも表示される絵がグライダーだということです(笑)

DEVICE SELECT

PCM-9X/9XII で一番わかりにくい部分です。
エルロン、エレベーター、ラダー以外のコントロールをどのスイッチ/レバーに割り当てるかを決めます。
モーター(MOTO) を SPOI STK、AUX4 を MOTO SW に設定します。
トウフック(FLAP)を動かすレバーを GEAR(MOTO)SW にしたいのですが。これが設定できないために
空チャンネルの AUX4 を活用しここからミキシングをかけて FLAP ch を動かすようにします。
AUX3、AUX4 の出力は不要ですので、ACT→INH にしておきます。(←これはどうでもよいですが)

システム設定モードでいじるべき部分はこのぐらいです。
以下、設定すべき順番にファンクションリストの項目を述べます。


「リバーススイッチ」
「サブトリム」

サーボ搭載、リンケージをしながら確認します。
サブトリムはなるべくゼロになるよう、サーボホーンの位置を調整します。基本ですね。

「左右舵角調整(TRAVEL ADJUST)」

標準のサーボ・ホーンで適切な舵角が得られれば一番いいのですが、必要に応じて調整します。
FOXではエルロンを左右60%に、エレベーターを90%に設定する必要がありました。
スポイラーはフルトラベルの片側のみを使用する予定(後述)なので、舵角を確保するために−140%を入力します。

「デュアルレート、エクスポネンシャル(D/R & EXP)」

POS-0 と -1 を設定します。
POS-0 はキットの指定通りの舵角、-1 はそれより舵角を押さえたモードを設定するのが私の好みです。AUTO デュアルレートは、SPEED モードで舵角を押さえた POS-1 固定、その他のモードで D/R SW が有効になるように設定します。

「ディファレンシャル設定(DIFFEREN.)」

あらかじめ機械的にサーボホーンの位置をずらせて作動を取っておくのが望ましいのですが、調整の結果ディファレンシャル量を調整したい場合があります。
各フライトモード毎に入力値を調整します。
今回は、CRUISE、SPEED、LAUNCH の3モードに+15%を入力しました。
(その他のモードは使用せず)


さて、ここから先は私の好みのモーター/スポイラーのセッティングを行います。
これは、

1、通常モードではスロットルフルストロークでモーターをリニアにコントロール
2、ランディングモードでは、スロットル中立〜MAXでモーター・コントロール、中立〜MINでスポイラーOPEN

というもので、どんな場合にもスロットルスティック1本でスポイラーとモーターのコントロールができ、スポイラーを展開したままモーターが全開になるというような危険な操作が起こりえません。
しかし残念ながらこの設定はあらかじめ準備されているグライダーモードでは実現できません。そこで、5つのプログラムミキシングを活用して設定します。

「プログラムMIX1(カーブミキシング)」

ランディングモードにおいてスロットルの動きを変化させる設定をします。
MOTO→MOTO へのミキシングを選択し、POINT3(スティック中立位置)で−100%のミキシングをかけます。
これで、スティックを中立まで下げたときすでに最スローにしたときと同じ出力になります。
このミキシングは常にONでもかまいませんが、今回はバタフライスイッチに割り当てておきます。

「プログラムMIX3(通常ミキシング)」

AUX2→AUX2 でスポイラーの動きを制限します。
スイッチにはバタフライスイッチを割り当てます
この場合、もともと動くものを動かなくする設定ですから、POS-0 では上下とも−100%にします。これで通常モードでスポイラーは動かなくなります。
POS-1 で、上−100%、下0%の設定とし、これでスロットルスティックが中立以下でスポイラーが徐々に全開になります。

「プログラムMIX4(通常ミキシング)」(注:画面例では MIX6 になってます)

スポイラーに連動して、エルロンを跳ね上げてブレーキとする設定も行います。
SPOI→FRPN(フラッペロン)で、これもバタフライスイッチに割り当てます。
POS-0 上下0%
POS-1 上0%、下+100%

「プログラムMIX5(通常ミキシング)」

スポイラーを作動させると、通常、強い頭下げを発生します。これを防ぐためにエレベーター・アップにミキシングを入れます。
SPOI→ELEV POS-0 上下0%、POS-1 上0%、下+10%
割り当て:バタフライスイッチ

最後です。

トウフックをフラップのチャンネルに接続していますが、これを動かす適切なレバーがありません。
そこで、GEAR SWに割り当ててあるAUX4チャネルからFLAPチャネルへのミキシングをかけます。
フラップ関係のミキシング(フラッペロン、バタフライ、フラップレートなど)はすべて設定を0%としておきます。

「プログラムMIX6(通常ミキシング)」(画面例では MIX4 になってます)

AUX4→FLAP POS-0 上下100%(常時ON)

以上です。

PCM−9XIIには出力のモニター画面があります。
適切な設定ができたかどうか、十分画面上で確認してから機体の電源を入れるようにしたほうがよろしいでしょう。


いかがでしょうか?
PCM−9XII の豊富なグライダー機能、しかし、それをすべて使用しなければならないなんて言うことはありません。
自分の必要な機能だけをしっかり設定し、整理して使用すればあなたの機体も見違えるように飛ばしやすくなるでしょう。


     
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