RC飛行機お役立ち講座シリーズD

プロペラの消費電力(適切な負荷を考える)


先日飛行したモーターグライダー、Monton1600V でひとつ疑問が発生しました。
パワーユニットは、AXI-2212/26 に Graupner CAM 10×6 を組み合わせていますが、電流は地上で約10Aしか流れておらず、引きもイマイチです。
実はこの組み合わせ、以前、他機(Ghost、Omei)でも試しており、その時は最大で15A以上流れていた筈、何かがおかしい。そう思って見直してみることにしました。

  

3機のセッティングを比べてみると、1つ違いが見つかりました。それは、プロペラハブ径です。Ghostのスピンナーはハブ径 42mm、Omei のは 46mm もあります。それに対して 小さな Monton のスピンナーはハブ径 36mm しかありません。
折りペラは10×6などの表示があっても組み合わせるハブによってその最大直径が違ってくるのはあたりまえ。しかしこれがどのぐらいパワーに影響するのでしょうか?手持ちのペラで実験してみました。

モーター AXI-2212/26 (Kv 975rpm/V)
アンプ Novatec 25A
バッテリー Thunder Power 2100-3S (11.1V)

* バッテリーは測定時に放電能力の影響を受けないよう、大きめのものを満充電にして使用。
* 始動から約30秒経過後の安定した数字を計測しました。

プロペラ、ハブ径 36mm 46mm
Graupner 10×6 11A、7200rpm 12A、6900rpm
RFM 10×6 11A、7500rpm 12A、7100rpm
Aeronaut 10×8 14A、6500rpm 16A→14.5A、6000rpm
Aeronaut 11×6 15.5A→13.5A、6300rpm 16A→14A、6000rpm

なるほど〜、結構違うものですね。 

36mmハブのスピンナーを搭載した場合、連続使用するなら 10×6 程度のプロペラが適切でしょう。
モーターグライダーでバースト上昇+滑空という使い方なら、10×8 程度を選択しても良さそうですね。
表中の赤背景の組み合わせはモーターの発熱が大きく、30秒経過後もまだ電流変化量も大きいことから、このモーターに対してはオーバーロードと思われます。

 

いずれにしても、折りペラを選択する場合、使用するハブ径も考慮してサイズを選択しないと適切な性能が得られない、そしてその変化は以外に大きいということが分かりました。さらに、そのハブも物によってはプロペラ・ピッチのオフセットや、ペラが上手く胴体に沿うように取り付け位置のオフセットがつけられているものもあり、選択時には注意が必要です。まあ、これは競技用の高価な製品に多いのですが・・・

私、お恥ずかしながら今まであまりモーターの負荷について考えたこと無かったんです。
この実験が、400クラスモーター・グライダーのプロペラ選びのご参考になれば幸いです。


  
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