CIVILのRC飛行機工房

お手軽水上機 Coota

2008年4月21日
2009年7月27日追記


水ぬるむ季節、いつもヨットを楽しんでいる池で手軽に飛ばせるサイズの電動水上機はないものかと思っていた時、オークションで目についたのが本機、Cootaです。
スケールではありませんが、実機レイク・バッカニアを髣髴とさせるフォルム、翼幅900mmのお手ごろサイズ、なんと、ブラシレスモーター、アンプ搭載済み、バッテリー、送信機などすべてを含んだフルセットで20Kを切る価格、これは試してみるしかないでしょう!

  

注文した翌日、Cootaはこんな箱で家に届きました。包装はすべて省略され、徹底したコストダウンが図られています。このオモチャ然とした箱の中から出てきたものは・・・・

胴体と左右の主翼。ユーザーがやることは主翼を胴体に差し込んで接着することだけ。
左右それぞれの翼にサーボが1つずつ、贅沢〜
あと、陸上用にタイヤ(脚)が3つ付属していますが、芝生の飛行場ならこれは付けなくても離陸できるでしょう。

箱の中にはこんなものが・・・・

これはおもちゃじゃありませんよ、って書かれています。

胴体内部
キャノピー部はハッチを兼ねており、マグネットで脱着されるところがすごい!
受信機はゴム風船を被せて防水が施されています。
多少水をかぶったぐらいでは大丈夫でしょう(水没は別)
胴体上方のモーターポッド内です。
アンプもしっかり防水されています。
そこそこしっかりしたマウントにブラシレスモーターが・・・

モーターポッドのハッチもマグネット止めです。

送信機
72MHzのFMです。安っぽいですが動作に不安はありません。
手持ちのJR送信機が使えないかな?と思って試してみましたが、これは残念ながらNG
受信機はフタバシフトのようです。
ちゃんと動作していましたが、いったん受信機を取り出してみました。
搭載されているのは6CH受信機ですが、本機では4CHしか使っていません。(2つのエルロンサーボは二股接続)デジタル制御を行っているらしく、サーボのガチャつきは一切なし。

付属の1000mAHニッケル水素バッテリー

なんと! Deansコネクター付です。
このままちゃんと使えます。
100VACの急速充電器も付いてます。

一点だけ面白くないのはこれ
説明書が全部英語です。 ・・・・って別に見なくても大丈夫ですけど!
ご覧の重心位置の説明だけ分かれば十分です。
指定位置にバッテリーを積むとばっちり重心がとれます
そしてなんと、初心者向きのシミュレーターソフト付。中身はFMSのようですけどね・・・・
付属の送信機をPCに接続するためのケーブルももちろん付いてます。

とりあえず大きく手を加えるべきところはなし。このまま飛びます。
非常に良心的な内容と言えます。

初飛行は、飛行場の芝生の上で行いました。
プラスチックの艇体はうまく芝生の上を滑っていきますが、少々頭を下げてつんのめっていきます。
強くアップを引きながら走らせて無事離陸成功。
フルパワーのときはそのレイアウトから頭下げの傾向があるので意識してエレベーターアップが必要です。
軽量なのでスピードの乗りはいまいちですが、ロール、ループも不安なく出来ます。

中スローでの旋回飛行も難しくありませんが、上方に重量物のモーターが付くそのレイアウトからか、左旋回で巻き込んでいく傾向があることは注意しなければなりません。
着陸時、モーターが止まるとエレベーターの効きはかなり低下するので注意。普段はエレベーターがプロペラ後流の中にあるので効きはいいのですが・・・
また、スピードを落としすぎるとストンと降下してしまいます。
若干のハードランディングでしたが破損もなく、初飛行成功!
翌週、いよいよ今度はCootaを水辺に持ち出しました。
このままでも問題ありませんでしたが、私は普段使っているJR送信機を使いたかったので、受信機をCoronaの新製品、8CHのシンセサイザー受信機に換装しました。
もちろん地上点検の結果、動作に不安はありません。

水上での特性は陸上とは異なったものです。
プレーニングに入るころに突込み気味となり、わずかな波でポーポイジングに入ります。
あまり艇体の設計が良くないようですね・・・
しかし、陸上と同じように強くアップを引きながら走らせ、離水と同時に僅かずつエレベーターを戻すようにすれば難なく離水することが出来ました。

水上では艇体についた水しぶきのせいでしょうか?僅かに性能が低下するように感じます。
しかし、目の前で離水した艇からキラキラと水が落ちてくるのはとても綺麗で何度もタッチアンドゴーを繰り返していました。

Cootaはこれからの季節、水上機のセカンド機としてお手軽に十分楽しめる機体だと思います。

「ちょっぴり改造!」

さて、初飛行から1年以上経ってしまいましたが、実はCootaの出番はそれほど多くありませんでした。
というのは、値段とサイズは手ごろでも、その性能、特性に関しては決してお手軽とは言い難かったからです。電動水上機の入門機として知人から購入を相談されたとき、良いとは即答出来ませんでした。

Cootaの何が悪いか? それは大きく分けて3つです

1、 パワー不足、電池の持ちが悪い
付属のニッケル水素電池はもともとパワーがギリギリで、2,3分の飛行の後はもう離水できなくなります。
新品のうちはまだ良かったのですが、十回程度の飛行でもう使い物にならなくなってしまいました。
2、 パワーON/OFFでの姿勢変化
スラストラインが上方にあるため、パワーオンで頭下げの、オフで頭上げの強い癖が発生します。特に着水のためにスローにすると、意識してダウンを打たないと機首が下がらず、急速に減速して石のように落下します。
3、 左旋回時の巻き込み
比較的大径のプロペラを回しているためか、左旋回での巻き込み癖があり、神経を使います。

これらの欠点を多少なりとも修正し、本来の目的どおり、「お手軽に」飛ばすために少し手を加えることにしました。

1、リポに換装

パワー不足を解消する手段として一番お手軽なのは手持ちのリポに換装することです。3セル1300mAhのリポで丁度8.4V1000mAhニッケル水素電池とほぼ同じ130g、大きさもすっぽり同じ位置に収まります。電圧、容量のアップで長時間パワフルに飛べる計算です。
しかし、電流を測ってみるとこれがいけません。いきなり20A以上流れてしまいます。これではモーター、アンプが持たないので、プロペラの先端を12mmずつ詰め、ダイヤを減らします。これで何とか18A、まあ、持つでしょう。
プロペラの直径を減らし、左巻き込み癖の軽減にも役立ちます。

2、スラストラインの変更

付属のプロペラは胴体に当たるか当たらないか、ギリギリの大きさでした。しかしこれを詰めることにより余裕が生まれました。
そこで、パイロンを豪快にカットしてアップスラストを付けてやります。パイロンの中に挿入されている補強用の塩ビ板を抜き、レザー・ソウでパイロンをぶった切ります。パイロン後端で約10mm斜めに切り落として再接着すると、約10度のアップスラストになります。
写真は接着したあと、これでも全然違和感ありませんが、水平尾翼と見比べるとかなりアップスラストになっているのが分かります。

さて、改造の成果は?

岐阜県某ダム湖でテスト飛行
ハーフスロットルで軽快に離水、もうパワー不足は感じません。
パワーON/OFFのクセはまだ若干あるようで、アップスラストを更に増す必要があるかも。しかし、かなり飛ばしやすくなりました。

ちょっと手を加えるだけで、Cootaはとても楽しめる飛行機になります。
最新のモデルはリポ装備、2.4GHz版も出ているとか! 凄いですね〜〜

本ページの画像は、IXY Digital50で撮影、
VIX Ver. 2.21で加工し、作成しました。
なお、一部の写真は空者氏、路地っく氏よりご提供いただきました。


  
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