CIVILのRC飛行機工房

ZOOM FALCON Full Carbon

2008年8月24日 NEW
2009年1月1日 更新


珍しく、競技用グライダーに近い純グライダーを買ってしまいました。
2.08mの主翼はフルカーボン・シャーレ、胴体はカーボン・ケブラー
中国 ZOOM MODEL社製で素晴らしい出来、春のスロープ遠征で友人のトーイさんが持ってきたのを見て一目惚れしちゃいました。そのグライダーがまた入荷したという情報ですぐに購入を決定しました。
この FALCON は評判が良かったそうですが、製造元 ZOOM MODEL社はのちに Competition RC Model Co. LTD と改名し、FALCON も製品ラインナップから消えてしまったそうです。
またもやレアーな機体を買ってしまいました。

購入は、素晴らしいグライダーを輸入・販売してくれる RC SAILPLANE.COM さん http://www.rc-sailplane.com/ より、送料込みで48Kでした。これって高いのか安いのかよくわかりませんが、惚れ込んだ機体なのでまあいいか〜

注文メールを送って2日後にはもう機体が届きました。
検品して問題が無ければ代金を振り込めという大変良心的な売り方、もちろんすぐに入金しました。
しっかりした不織布のケースに入った機体が大きめの箱に収められており、破損や欠品はありませんでした。

輸入品の在庫品ということもあり、色は5色(パターン)から選択することになっていました。
私は青・黄のパターンを希望したのですが、先着順で第2希望の青・白の機体を購入することになりました。(写真中央のもの)
非常に清々しくすっきりとした色合いで、結果的にはこの方が良かったと思います。
(写真は、RC SAILPLANE.COMのサイトから)

Kanoh's Model Sailplane Workshop 

ところがこの機体、説明書の類がまったく入っていません。
だいたいのパーツはどこに使うのか理解できますが、舵角、重心位置等のデータがわかりません。
こういうことは先人に聞け、ということで、すでにフライトに成功している友人トーイさんに連絡です。
このFALCONは、有名なRADINAという機体のコピーらしいということ。重量・材質は違うが(RADINAよりだいぶ重い)重心位置などはそのまま応用して良いらしいということ、また、同機の詳細な製作記事を掲載している方のサイトも教えていただきました。
細かい点を見ていきます。
胴体は尾部が重く、比較的機首が短いのでウエイトが多く要りそうです。
エレベーター及びラダーのリンケージはすでに1.8mmピアノ線が埋め込まれていますが、少しでも軽量化するためにラダーのロッドを1.5mmカーボンロッドに交換してやりました。
(エレベーター・ロッドはすでにベルクランクに接続されているため取り外せませんでした)
エレベーターはフル・フライングテールで、5mmカーボン・カンザシに左右から舵面を差し込み固定する方式です。エレベーターの軸受け部は精度不良なのかすぐにガタが出るという噂がありましたが、私の機体はまだそのような兆候はありません。個体差があるのかもしれませんね。
カーボンの綺麗なキャノピーを取ると、機首にはメカ搭載に十分なスペースがあります。
エレベーター、ラダーロッドのガイドチューブがすでに接着されていますが、この出口が低すぎます。これに合わすとサーボが搭載できません。
そこで真鍮パイプを尖らせたツールを作ってこのガイドパイプをゴリゴリやって剥がし、改めて上方にずらして接着し直します。
サーボを積み、リンケージを終わった後でロッドがまっすぐ伸びる位置に堅木で受けを作りパイプを固定しました。

フル・フライングテールのエレベーターはニュートラル位置がわかりません。
よって後から大きく調整可能なよう、ロッドキーパーを使用しました。
(ハッタリで位置決めしましたが、初飛行時はフルダウン・トリムが必要でした)

主翼は、9mmカンザシに左右から差込みます。固定方法はなく、差し込んでテープなどで抜け止めをすることになります。カンザシはカーボンと鋼鉄製のものがそれぞれ1本付属していますが、鋼鉄製のほうは固くてパイプに入らず使えません。なんじゃそれ?
主翼には強風時用のバラストを入れる穴が開いています。
胴体内に固定すると思われるバラストチューブ(FRP製)も付属していましたが、今回は搭載していません。また。バラストは付属していません。
エルロンとフラップ、片翼に2つのサーボが入りますので配線はまとめて4極のコネクターを使ってみました。これはタマゾーのリポのバランス端子に使われているものと同じです。

電源のプラスとマイナス、信号線が2本、配線を間違えないように各サーボリードを切って半田付けしました。
ただシャーレの翼内は大変広いので、後のメンテナンスを考えるとサーボリードは加工せずにコネクターで接続するようにしたほうが良かったかもしれません。

エルロンには手持ちのコロナのデジタルサーボDS-928、フラップにはHITECのHS-81を使ってみましたがこれはミスチョイス。大きな力のかかるフラップサーボがすぐにギア欠けしてしまいました。特にHS-81はギアが弱いようです。
サーボは翼内に接着してしまっていたのでこれを剥がすのが一苦労!
ドライバーやカッターナイフを突っ込んでグリグリ、しかし強固なカーボン翼はびくともせず、サーボのケースのほうが粉々に壊れてしまいました・・・
代わりに搭載したウイングサーボHS-125MGは、もうそんな苦労はせんぞ!ということでベニヤのマウントを介して取り付けることにしました。

お化粧用のステッカーはオリジナルデザインです。
耐水性の透明ラベルシートにインクジェットプリンタで印刷して貼りました。
左翼には「60's Soaring Club?」の新ロゴも光っています。

仮組みしてバランス・チェック、重心は前縁から88mmだそうでうが、これはなんと40%MACに相当します。これでも必要なノーズ・ウエイトはなんと280g!
ヨットに使った残りの鉛玉を流し込んで木工用ボンドで固めると、以外と場所を取ってしまいメカスペースが狭くなってしまいました。鉛を一旦溶かして型に流し込んでやればもう少し小さく作れるでしょう。
受信機用バッテリーは単4型Ni-MH電池を俵型に組んで製作。
受信機はOKのFM7ch、RX-7を使用し、(写真は初飛行後にCORONAに交換後)全備重量は1500gちょうどで仕上がりました。

初飛行は夏の遠征会、石川・白山で行いました。
地上の距離チェックでは問題なかったのですが、飛行を始めてすぐサーボがガチャつきはじめました。ローパスさせるとフラップがバタバタ動いているのが見えたので緊急着陸。アンテナ線を胴体内部に張っていたのがいけなかったかも〜(胴体もカーボンです)
フラップを下げたまま降ろしたので、フラップサーボがギヤ欠けしてしまいました(前述)

どうもOKの受信機は電波が瞬断したときのサーボの動きが大きいようです。
試しに送信機のスイッチを切ってみると、即座に全サーボが振り切れてしまいます。

サーボを交換、受信機も信頼性交換してのリベンジは勝手知ったる霧が峰です。
受信機は信頼性の問題でCORONAの8chシンセサイザーに交換、アンテナも機体外に出して電波を良く拾うようにします。
まだ飛行中にエルロンサーボがギシギシ動いているようですが操縦に異常を感じるほどではありません。翼のサーボリードにはフェライトコアを入れるなどの処置が必要かもしれませんね。

フライトは微風ながら浮きも上々、安定してよく走り、スーッと伸びていく感は爽快そのもの。素性の良さを感じさせます。
これでDSに持ち込めたらなかなか楽しいだろうな。

「主要諸元」

翼長2095mm、全長1170mm
全備重量1500g、翼面積32dm2、翼面荷重46.87g/dm2
サーボ Hitec HS-81×2(ラダー、エレベーター)、Hitec HS-125×2(フラップ)
     CORONA DS-928×2(エルロン)
受信機 CORONA RP8D1JR R770S、バッテリ eneloop 単4×4
送信機 JR PCM12X

でしたが・・・、CORONAの受信機はどうもエルロンのニュートラルが出ず、飛行中も落ち着きが悪かったので、JR R770S に交換しました。やっぱり純正のPCMはいいです!


「バンジーに挑戦!」

さて、一度はスロープにて爽快な飛びを楽しんだFALCONですが、本機がカッ飛ぶ条件の良いときはなかなかありません。
そこで、同型機を所有するトーイさんの誘いで、バンジーに挑戦することにしました。

写真は、機首下面に追加装備したバンジー・フックです。
3φピアノ線を直角に曲げ、3mmベニヤ2枚重ねの台座に差し込んで胴体内側から弾性エポキシで接着してあります。
かなり強い力がかかりますので、抜けないようにしっかりと・・・・

初のバンジーは2008年も押し迫った12月のある日、岐阜県某所の山中で行いました。
同型機を持つトーイさんに教えていただきながら、ダイナミックなバンジー発航を楽しむことが出来ました。

バンジー!動画(1分10秒・2.7MB)

ところが・・・・

強風の中着陸に失敗し、ちょうど翼付け根の下面あたりに変な凹み傷を作ってしまいました。どうも一度胴体がクシャっと曲がったようで、次はここから折れる恐れがあります。
今のうちに補強修理をしておくことにしました。

「初修理」

胴体内側からグラス布を貼って補強しますが、サーボベッドを一度外す必要があります。その前に、フル・フライングテールのエレベーターのニュートラル位置が分かるように、テープを貼ってニュートラル位置を記録しておきました。
これでサーボをいったん降ろしても次回の調整が簡単です。

エポキシレジンを使って、胴体内側から厚手のグラス布を貼って補強しました。

外側は軽く磨いて段差を落とし、瞬間でマイクログラスを貼っておきました。
このあと表面を滑らかにし、アクリル白でタッチアップします。

さて、本機でちょっと気になっていた点、送信機アンテナを近づけるとサーボがガチャ付くことがありましたが、これはエルロンの延長コードにフェライトコアを挿入してノイズの軽減を図ります。
長さとスペースの関係で、コードをフェライトコアに巻きつけることが出来ず、ただ通してみただけですが効果のほどは?
まあ、無いよりまし??

元通りサーボベットを接着し、リンケージをやり直して完成です。

サーボベッドにはカーボンキュアシートを貼ってちょっと高級感を演出(笑)

本ページの画像は、IXY Digital50で撮影、
VIX Ver. 2.21で加工し、作成しました。
なお、一部の写真はとよでん氏よりご提供いただきました。


  
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