FRP胴体を修理する(パッチ当て修理)
2008.8.15
はじめに申し上げますが、ここで書く修理方法は私、CIVILの個人的なやり方であり、決してベストなものではありません。他にもっと簡単な方法、適切な方法があるかもしれませんので、あくまで「参考」としてください。 ヒビの入ったテールブームの補強 こちらは最近多く輸入されている中国製スケール機のテールブームです。 本機は大変軽量に仕上げられていますが、垂直尾翼下方のねじれ剛性が足りません。ちょっとラフな着陸をするとすぐにヒビが入り垂直尾翼がぐらぐらになってしまいます。ここではヒビの入ったテールブームにグラス布を外側から1プライ巻いて補強します。 本当は壊れる前にあらかじめ補強しておけばもっと良かったのですが・・・・ まず、グラス布を巻くエリアを決め、それより大きめに塗装をすべて落とします。サンドペーパーで削っていてはきりが無いので、ドレメル・ツールにサンディング・ホイールを装着し削ります。 ものすごい埃がたちますので注意!また、下地のグラスそのものを削り過ぎないように注意しましょう。破損が大きくて削りにくいときには、まず瞬間接着剤を流して破損した部分を仮止めします。その後削ればうまくいくでしょう。 グラス布を必要な大きさに切ります。 使用するのは厚手〜中厚手のものです。マイクログラスは強度がありませんので補強には適しません。カットするのは丸い刃を転がして切るロータリー・カッターが便利です。はさみや通常のカッターナイフでは繊維がボロボロになりうまくいきません。 ねじれ補強では繊維の方向はバイアス(斜め)に当てます。こうするとより強くなります。テールブームを1周し合わせ目が1cm程度取れるように大きさを決めます。合わせ目に隙間があるとそこが弱くなります。 いよいよグラス布を貼ります。 ほんの小さな範囲なら瞬間接着剤が便利ですが、10cm四方にも及ぶような大きさの場合は樹脂を使用したほうが良いでしょう。 ここで注意!当然のことですが、使用する樹脂は胴体に使われている樹脂と同種のものでなくてはなりません。FRPであればポリ樹脂を、エポキシグラスであればエポキシレジンを使います。これを間違えると極端に強度が落ちます。 Discus CS の場合はポリ樹脂を使います。 模型店などで手に入りやすいのは写真のクリッパーの製品などです。もちろんこれでも良いのですが、個人的には若干粘度が高くて使いにくく感じます。 ホームセンターに行くといろいろな種類のものが手に入ります。全部試したわけではないのでどれが良いとはわからないのですが、いちばん安い基本的なやつを使いました。クリッパーのものより硬化剤の混合がしやすく、粘度が低くて塗りやすい感じです。容量的には倍以上あります! ところで、ポリ樹脂は「紙コップで混ぜちゃいけません」と言われます。これは紙コップにはロウがひいてあるため、反応して硬化不良を起こすから、と言うことらしいのですがやったことが無いので不明です。 また、一度に大量に混ぜると発熱してすぐに樹脂が固まってしまいます。私はグレートプレーンズのエポキシ・ミキシング・カップを使います。 混ぜ混ぜ&塗り塗りするには、安物の刷毛を大量に購入してきて使い捨てにするのが良いでしょう。刷毛を洗って再利用しようと思うととんでもなく面倒くさいし、シンナーを大量に使います。グレートプレーンズのエポキシブラシなんていう使い捨て専用の刷毛もあります。クロスを貼る場合、樹脂をベタベタといっぱい塗ってはいけません。重くなるばかりでなく、繊維が浮いた感じになり強度が低下します。少ない樹脂でかっちりと仕上げましょう。 (といってもついつい厚塗りしてしまいますので注意!) 樹脂が硬化したら仕上げに入ります。まず、繊維の端、クロスの合わせ目などの毛羽立った部分をカッターやヤスリなどで落とします。極端に段差があるところなどはポリパテで埋めますが、私はたいていそのままサーフェサー仕上げに入ります。 東邦のプライマー・サーフェサーを混合し、薄めずに塗ります。若干段差のある部分にはパテ代わりに多めに塗っておきます。1晩で硬化するので180番程度でカラ研ぎ、グラス繊維を切らないように気をつけて磨きます。2、3回繰り返すと表面が滑らかになりますので、最後に1.5倍に薄めたサーフェサーを塗って、400番で水研ぎします。これをやらないと仕上げ塗りで削り跡が表面に出てきてしまいますので注意! 要らないところをマスキングしてウレタンの白をスプレーします。アクリルでも良いのですが、あとの仕上げや耐久性の面でウレタンのほうが良いでしょう。完全乾燥後、1500番〜2000番で塗装の段差を落とし、コンパウンドで磨いて仕上げます。本当は最後にクリアを薄くかけるともっといいんですけど。
こちらは最近多く輸入されている中国製スケール機のテールブームです。 本機は大変軽量に仕上げられていますが、垂直尾翼下方のねじれ剛性が足りません。ちょっとラフな着陸をするとすぐにヒビが入り垂直尾翼がぐらぐらになってしまいます。ここではヒビの入ったテールブームにグラス布を外側から1プライ巻いて補強します。 本当は壊れる前にあらかじめ補強しておけばもっと良かったのですが・・・・
ここで注意!当然のことですが、使用する樹脂は胴体に使われている樹脂と同種のものでなくてはなりません。FRPであればポリ樹脂を、エポキシグラスであればエポキシレジンを使います。これを間違えると極端に強度が落ちます。
ホームセンターに行くといろいろな種類のものが手に入ります。全部試したわけではないのでどれが良いとはわからないのですが、いちばん安い基本的なやつを使いました。クリッパーのものより硬化剤の混合がしやすく、粘度が低くて塗りやすい感じです。容量的には倍以上あります!
クロスを貼る場合、樹脂をベタベタといっぱい塗ってはいけません。重くなるばかりでなく、繊維が浮いた感じになり強度が低下します。少ない樹脂でかっちりと仕上げましょう。 (といってもついつい厚塗りしてしまいますので注意!)
本ページの画像は、Canon IXY Digital50 で撮影、 VIX Ver. 2.21で加工し、作成しました