食事を終え、港近くの公園まで一緒に歩いた、彼女は小さな紙袋を今日あったときから
ずっと大事そうにもっている。

「何それ?」 
「とってもいいもの♪」

そう、これはきっとあなたにとって"いいもの"のはず、私は彼がベンチに座ったところで外灯を背に彼のほうを向いた、袋から赤い風船を一つ取り出す。

「いいものって何?」

彼はまだ気付かない、そうちょうど逆光なので彼には見えないのだ。
私は風船の口を優しくくわえ、一気に息を吹き込んでみた

"フゥ〜ウ"

思ったよりも膨らまなかったが、彼の表情を見て、思わず吹出しそうになった。

「どうしたの?それ??」

彼は動揺したようで先程から咥えていた煙草の火が消えてしまっているのにさえ気付かない。

「うん、なんか、欲しくなって今日、買いに行ったの」

私はそう言うと風船を膨らませ続けた

"フゥ〜ウ、フゥ〜ウ"

何度か頑張って、風船はほぼいっぱいまで膨らんだ、
彼は何も喋らない、咥えた煙草はいつのまにか地面に落ちていた。

「ねえ、もうパンパンだよ♪これ以上膨らませたら割れちゃうね♪」

私が風船の口を結ぶやいなや、彼はいきなり私を抱きしめた。そして優しく唇を重ねてきた。 
彼の心は震えていた、
私の身体も震えていた。

気が付くと彼女はオレに身体を預けてきていた、どれくらいぶりだろう、こんなに女性を愛おしく思ったのは、何とかしてオレは自分を押さえようとして唇をはなした。

「風船が好きなんだね?」

なんとも間抜けな質問だ、

「うん、でもあなたも・・・・大好きなんでしょう?」

そうか、いかにも非論理的な考えだが、彼女はどうやらオレの心を読めるらしい、
"そうか、昨日のバーで・・・"あの心に触れられている感覚は実は心を読まれていたんだ、普通なら、プライバシーを無断で覗かれたんだ、あまりいい気分にはならないだろう、でもなぜか心地良かった、
"ええい、もう、どうにでもなれ!!"

ふくらませた風船を持ったまま彼の車まで歩いた、まるで恋人同志の様に身体を寄せ合って。
ドアを開け車に乗り込んだ直後"パァン!!"と風船が割れてしまった、
あまりの音の大きさに私はビックリしてしまったが、なんとも悲しそうな彼の顔を見て、思わず吹出してしまった

「アハッ!どうしたの?こわかった?それとも風船がなくなって寂しいの?」

私はわざと意地悪に聞く 

「いや、別に・・・・・ビックリしただけさ」と彼。
「フ―ン、そうなんだぁ、まだまだいっぱいあるのになぁ・・・・どうしよっかなぁ・・・・
ふくらませて欲しい?] 

彼は黙ったままだ、私はもう一つ紙袋から風船を取り出した。
口にくわえてまた膨らませる

"フウゥ〜フウゥ〜"

彼の心が熱くなっていくのを感じた。
さっきの風船よりもパンパンにふくらんだ風船はちょっと押さえただけで割れてしまいそうなくらい張り詰めていた、彼の鼓動が激しくなってきている。

"こわいけど、うれしいのね" 

彼の方に微笑を投げかけ風船に軽く爪を立てる、

"キュウゥゥ"

「ねぇ、こんな事したらまた割れちゃうよね?」

彼の興奮が痛いほど伝わってくる・・・・・
そのせいで私も濡れてしまった・・・。彼が欲しくてたまらなかった。

「ねぇ」と私は彼の耳元でささやくと彼のジーンズのジッパーに手を伸ばし彼自身に触れてみる、この風船のように今にも破裂しちゃいそうなくらいになっていた。 
私は風船を押し付ける、"キュキュッ"と風船が鳴く、

「ねえ、気持ちいい?」
「う、うん」

彼は一言しか返事をしなかったけど快感の真っ只中にいる事はビンビン伝わってくる

「このまま割って欲しい?」

分かっている、彼は"イク"時に割って欲しいのだ、
いや、割って欲しくない???

「私にもして」

耳元でささやく、彼の左手が私を抱き、右手の指がゆっくりショーツの中に入ってくる、
大きいけど優しい暖かい手、
彼の中指が私のいちばん敏感なところに触れる・・・・・・ちょっと恥ずかしかった、
こんなに興奮している事を悟られるのは・・・・・彼の指がいよいよ私の中に入ってきた、
風船が二人の間で鳴いている・・・・彼の指が優しく動いて私は自分でもビックリするくらい、いきなりイってしまった・・・・
そしてイク瞬間に風船を割ってしまった・・・
イクのは初めてだった。
しばらく彼は私を抱き寄せて髪を撫でていてくれた、そして私の鼓動がおさまって優しくKiss・・・・・幸せを感じていた・・・・ふと彼のほうを見る、

「ごめんなさい、あなたは全然満足していないわね、今度はあなたの番…」

私はまだ張り詰めたままの彼自身を優しく口に含んだ。

「ねぇ、気持ちいい?でももっと気持ち良くしてあげる・・・風船が欲しいでしょう・・」

私は起き上がるとまた風船をふくらませはじめた、今度は簡単に割れないように少し小さめにふくらませて口をくくろうとする、彼の目を見ると"もっと"と要求している・・・

「また割れちゃってもいいの?」

私は彼の望み通りさっきの風船と同じ様にふくらませた、
そして彼自身にまたKissする・・・私の唾液で充分に潤ったところで今度は膨らませた風船でこすりつけるようにして愛撫する・・・適度にすべるのでさっきのようには風船は鳴かなかった、
彼の興奮が伝わってくる、風船と私、彼は今2人(?)から交互に愛されているのだ。 何度目かの時彼は風船に向けて果ててしまった・・・・

「ゴメンね、上手く割れなかった」 
「いや・・」と彼、
「ほんとは割って欲しかったんでしょう?」
「いや、だって割れたらほら、そこら中に飛んじゃうから」

2人は顔を見合わせてクスクスと笑った、本当におかしかった。
私は風船を舐めてキレイにした、彼の目を見つめながら・・・また興奮してきた・・・

「ねえ、あなたの部屋へ行きましょ」

と誘った。

"骨抜きだな、まったく・・・"
オレは心の中で呟いた、彼女が心を読めることなんて全く気にしていなかった。
体力的にはちょっと辛かったが、まるでSEXを覚えたてのティーンの様に彼女の身体を欲していた、いや、甘えたかっただけかもしれない・・・・・
しかし確かにSEXはまだしていないが、車の中でなんて・・・・ガキじゃあるまいし・・・・。
事務所に着き、2階へと上がる、ここにはベッドがあるが使った覚えはなかった、まあ、埃がたまるのはいやだったので、毎日掃除はしていたが、高架下の2階なんて夜通し貨物列車が通る為、ぐっすり眠れた物ではなかったからだ、だからオレのベッドは一回のソファーと決まっていた。
気分を落ち着かすためにシャワーを浴びる、2階に設置した配管剥き出しのユニットバスだ、彼女が先にシャワーを浴びて出て来た、素敵だった・・・・オレにとって彼女はあまりに眩しくてまるで宝石のようだった。

「ああ、忘れてた」

急いでストーブに火を点ける、古い石油ストーブだ。

「上で餅が焼けるんだぜ」

何を言ってるんだ、オレは?・・・

「あなたはゆっくり浴びてきてね」と彼女は言った。

"パァン!!""キャ!!"

風船が割れた。ベッドの上で5つ目の風船を膨らませていた時だった、コンクリートを打ちっぱなしの床に落ちた大きな風船はいとも簡単に割れてしまった。

"ごめんね、一緒に遊べなかったね…"

不思議と自然に風船に語りかける私。 
"さてどうしよう・・・そうだ"、私はシャワーを浴びる前に外したブレスレットを思い出した。くくった風船の口を上手く解いてブレスレットにくくり直す。"これで落ちちゃう事は無いわね♪"シャワーの音が止まった、もうすぐ彼が出てくる。 
私はブレスレット一つにつき風船を二つ、両手首に二つづつの風船を取り付けて彼を待った、

"でも、もう一つ膨らませておこう・・・"

シャワーを浴びている間にオレは何とか落ち着きを取り戻していた、しかしシャワーを浴び終えたオレはさっきのオレ以上に骨抜き(?)になってしまった。
目の前のベッドには風船に囲まれた彼女がちょこんと座り、また一つ風船を膨らませている。幻想的だった・・・・・・・。
もうだめだ、無駄な抵抗は止めて、オレは自分を押さえる事をその時点で放棄した。

彼は私(いや風船かな?)を見て再び理性を失ったようだった、いきなり抱きしめられる。

「もう膨らませなくていいの?」
「いや、そのまま膨らませつづけて」

と言って彼は私の股間に顔をうずめる、まるで蜜を捜す蜂の様に。やがて彼は私の一番敏感なところにキスをし始める。もちろん私はあふれていた、風船を膨らませ始めてからずっとである、風船を膨らませると彼がしてくれるから興奮したんだろうか?それだけでは無いような気がした、彼の心により深く触れる事によって彼の感覚が私の感覚を浸食したようだった、私はもう、風船のこすれる音を聞くだけで興奮し、どんどんと官能的になっていくのだった。彼は私のあふれ出た蜜を舐め続ける、

「だめ、上手くふくらませられ・・・・」

言葉が上手く出ない、もう風船がどの位ふくらんでいるのかも分からない・・・・・

"パァン!!"

風船が割れた、大きな音がしたが、負けないくらい私の声も大きかった、

"がまんできない!!"
「抱いて!!」

私は彼にSEXを強要した、自らSEXを欲したことなんて有っただろうか?いや、無かった、初めての事だった。

続く