By BLUE
「第3話」
けたたましく連打されるチャイム。仕方なくドアを開ける。
「な、何の用だよっ、近所迷惑だろ・・・・。」
「それはお互い様じゃないのぉ?朝っぱらから、ポンプの音がうるさいのよ。」
「そ、それは・・・・。」
「朝から、4回もしてんのね、このヘンタイくん♪」
「数えるなよっ!!」この生意気の固まりのような女は、宇佐美清香。
マンションのお隣さんで、幼稚園からずーっと同じ組。
背は、ボクも人のことを言える立場ではないが、それほど高くない。僕とほぼ同じくらいだ。
でも、胸はまるで風船のようにどんどん大きくなって、Tシャツの胸の模様の部分が胸のふくらみで、ゆがんでいる。
黙っていればそこそこ可愛いのだが、性格は最悪である。「で、何しに来たんだよ?」
「ん〜、暇だからぁ、風船なんかに興奮しておなにぃしちゃうヘンタイ少年をからかいにきたの^^」清香が言い終わる瞬間にドアを閉めた。
今、僕はこいつの相手なんかまっぴらごめんである。
またチャイム連打されても、諦めるまでほっとこうと思ったら、清香のやつ、その小さい体どこからそんな大声が
出るのかと不思議に感じるくらいの大声で、「ご近所のみなさーーーーーーーーん!!!日向さんちの真琴君はねーーーーー!!!!!風船を・・・・・%&■>」
慌てて僕はドアを開け、清香の口をふさぎ、家の中にひっぱり込んだ。
「お前なぁ・・・・。」
「もう、マコトったらぁ、強引なんだからぁ。」清香は色っぽい仕草でおどける。ゴツン。僕は清香の頭にゲンコツをくらわした。
「いったぁ〜い。でもこれも愛情表現のひとつね。真琴ってS?」
「誰がSだよっ!!」こいつのご両親は、さぞ大変だろうなぁ、と僕は思った。
「うふふふ、今からあんたは私のオモチャ、遊んでちょうだい。」
「・・・・・・・・、わかったよ、付き合えばいいんだろう・・・・。」
「えっちなのはだめだからね、お医者さんゴッコとか・・・・・。」
「誰がするか馬鹿!!」清香は勝手にボクの部屋に入りこんだ。
「おい、ちょっと・・・・・・。」
ボクのゴミ箱の中をのぞきこみ、
「マコトく〜ん、ほら、このティッシュの固まりは何かな〜。思春期まっしぐらっすねぇ〜〜〜〜。」
ボクの2発目のゲンコツを、清香はひらりとかわし、ベッドの下の引き出しを開けた。
「ふ〜ん、相変わらずいっぱいあるねぇ、風船。ひとつ膨らましていい?」
ボクの許可など得ずに勝手に、清香は11インチのハート柄クリア風船に息を吹き込む。
「ふーーーーー、ふぅぅぅーーーーー・・・・・・」
風船は固く、なかなか大きく膨らまない。
「マコトぉ〜、これ、膨らまないよぉ〜〜。」
「ていうか、勝手に膨らますなって・・・・、貸してみろよ。」ボクは、風船に思いっきり息を吹き込んだ。
いつも足踏みポンプを愛用しているボクにとって、息で膨らますのは久しぶりだ。「ふうぅぅぅぅ〜〜〜〜。」
「マコト、すごい、おっきくなってるよ〜!!」ハート型のクリア風船は、洋梨型まで膨らんだ。
ボクはギリギリまで伸びた口をひっぱって結んで、清香に向かってふわりと投げた。「あ、間接キッスじゃん、今の!!」
「え?」膨らますことに夢中になっていたボクは、そんな事全然気づかなかった。
すると急にドキドキして、顔が真っ赤になっていくのがわかった。「もっと膨らましていい?全部膨らまして、この部屋いっぱいにしちゃおうよ!!」
清香は、ボクの風船の入った袋をひっくり返した。
「お、おい・・・・。」
「ポンプ貸してよ、この部屋を風船だらけにするから!!」清香はポンプを引き出しから見つけると、床に散らばった風船を膨らまし始めた。
どんどん、どんどん、大きくなる風船。
それを見て、ボクは、今までに無く興奮してしまっていた・・・・・・・。