By KUIDAORE
「Girls Side 第1話」
今日はとってもいい天気。おかげで朝も早く起きれて、 午前中に大体の用事は済ませちゃった。
お掃除も終わったし、あとは干したお洗濯物を仕舞うだけかな?
パパとママは昨日からお出かけ。
パパのお仕事にママも手伝うから一緒に行くんで、 仕事が終わったらゆっくり観光でもしてくるみたい。
私はお留守番、でもパパとママは私が家事ができることから何にも心配していないみたいだし
私もパパとママがとっても仲良しそうにしていると、とっても嬉しいの。
あーあ、私もあんなふうな家族が持てたらなぁ。
パパは仕事もがんばるけれど、時々早く帰ってきてママのお料理やお洗濯物を 畳んだりするお手伝いをするし、
ママも家事をする一方でパパのお仕事を手伝ったりしている。
パパを見ていると、ママはとっても良い人に出会ったと思うし、 ママを見て、将来私がなりたい自分が見えてくるような気がする。
お互いを支えて、愛し合えるって、とっても良いんだろうなぁ。 よし、私もいい女を目指すぞ!
洗濯物、乾いたかな? ベランダに出てお洗濯物を畳みながらしまう。
っと、これで終わりかな? お天気は良いし、風はそよそよと吹いて、なんだか静かで気持ちいい。
ふぁ〜あ、思わず背のびをしていると、なにやら耳慣れたような音が聞こえてくる。
「風の音?いや、これは・・・」
よくよく耳を澄ましてみると、音の方向と正体はすぐにわかった。
子供の頃から耳の良さには自信がある。
鳥の鳴き声とかも聞き分けるのは得意だし、 メロディーを覚えるのだって結構いけちゃう方だし。
「アイツめ、また気持ち良くなっているな〜」
私の隣にすんでいる、いわゆる幼馴染の日向真琴、 背は小さいけれどけっこうきれいな、いや、男の子のくせに割と可愛い顔をしている。 両親も時々出かけることが多く、うちに挨拶に来ることもたまにある。
お陰でアイツも結構家事ができるようだ。大きくなったらうちのパパみたいにママを大事にするのかもしれない。
しかし、そんな良い子の秘密を私は知っているのだ。
そう、あいつは風船を「愛しちゃって」いるのだ。
ちょっと前に聞こえたのはポンプで風船を膨らましている音だ。
普通の人には聞こえないみたいだけど、アタシには聞こえちゃうんだなー。
風船を膨らませると、そのまま風船を見ながら気持ちイイことをしちゃう。
この前なんかアタシが押しかける前に4回もヤっちゃっていたみたいで、 そのあとアタシが悪戯した分を入れて5回。
よく考えてみると凄い・・・。 あの時アイツの泣きそうなんだか嬉しそうなんだかわからない顔をつい思い出してしまった。
「ちょっと可愛かったかな?根はいい奴なんだし」
アイツが気持ち良くなっている場面を想像していたら 「うっ、ああ・・・」 マズいちょっと私も気持ち良くなってきちゃった・・・。
畳んだ洗濯物を急いでクローゼットに戻し、家の鍵をかけたのを確認し、 自分の部屋へ戻る。
カーテンもしっかり閉めたのを確認したら、机の引き出しを目いっぱい引いて 奥から取り出したのは、24インチの風船だ。
アイツの秘密を私は知っているけれど、実はそれは私の秘密でもあるのだ。
膨らます前の風船を見るだけで、かわいらしく膨らんだ風船と、 風船に包まれるようにして楽しくなっている自分が頭の中に出てきて、
さらに気持ち良くなってくる。
「ふうせん、おねがい・・・」いつからだろう、風船を見ているととっても優しい気持ちになれることを知った。
お口で膨らますとみるみる大きくなる風船を見るのも楽しいし、
空中をふわふわと飛び跳ねる風船を見ると自分まで空を飛んでいるような気持ちになる。
あるとき、友達とちょっとしたことで口論になってしまった。
つまらないことにこだわった私に原因があったのだが、 案外プライドが高くて気の強い私は、友達とぶつかったまま家に帰ってしまった。
謝れなかった自分の情けなさと、友達に申し訳ない気持ちで、
食事もそこそこにシャワーを済ませてベッドに入ったけれどよく眠れなかった。
なんだかむしゃくしゃした気持ちになった私は、夜なのにもかかわらず 風船を膨らまして割ってみようと考えて、引き出しから取り出した。 「ふぅ!ふぅ・・・」
風船はどんどん大きくなっていき私の肩幅ぐらいになっていった。
このまま膨らまして割っちゃおうかと思ったけれど、ちょっと惜しいかなと思い 口元を結んで、目の前のベッドに置いてみた。
部屋の照明に照らされた風船は、光沢があって、大きくて、とっても優しそうだった。
何でだろう、我慢ができなくなってついギュッと抱きしめてみた。
ギュム、ギュム、膝に乗せた状態で風船を抱きしめると、結構大きい。
その大きさと柔らかさに、とっても気持ち良くなった私は、そのまま風船と一緒に ベッドに入った。
風船を腕、ムネ、お腹、太ももに当てているうちに何だか今まで感じたことの無い、
そしてやればやるほど物足りなっていくヘンな気持ちになっていった。
普通だったら何だかおかしいと思ったのかもしれない、
しかしいろいろあって不安と興奮の入り混じった気持ちが 私から恥ずかしさを忘れさせて、そのまま止まらなくなっていった。
「ふうせん、こんなに、あったかいね・・・」
もっと風船を求めるようになった私は、風船にキスをした。
キュチュッ。わぁあ!何だか恥ずかしい! 弾力のあるゴムに優しくキスをすると、唇と風船がこすれて音がした。
まるで風船が私にキスをしてきたみたいだ。
今までも男の子からキスはされたことはあった。その度にやっぱりドキドキしてしまう。
しかし今は、異性からのアプローチという以外に、 ちょっとヤケになっていた自分を優しく慰めてくれている風船と、
その風船で気持ち良くなってしまうヘンな自分の両方に対して恥ずかしさを感じてしまっている。
さらにそんな恥ずかしさがとっても気持ちイイんだから、もうヘンタイ間違いなしだよね・・・。
風船に唇をつけたままよりいっそう強く抱きしめる。
ギュイッ、ギュイッ。 なんだか風船に吸い込まれてしまいそう・・・。
「ふうせん!もっと!いいよぉ!」
ギュム!ギュム!ああ、もっと風船とくっつきたいよ〜!
「ふむン!ムギュ!はぁん!」 ついに、ふうせんと、ひとつに・・・
「むふぅ!ちゅむぅ!ぷちぅう、ふあああああン!ハァ〜・・・」
今までに感じたことのない快感と同時に、体が大きく波打つ。
風船が割れるんじゃないかと思うほど強く抱きしめていたけれども、大丈夫だったみたいだ。
快感が体から蒸発するような感覚のあと、股の間が何だかじめっとした。
「ふん?うわぁ!」
キスに夢中になって気が付かなかったみたいだけど、思いっきりたくさんぬるぬるが出てきた。
これが愛液っていうのは授業で聞いたことがあるけど、こんなに出るの!?
幸い下着にはそんなに付いていないみたいで、ティッシュで拭き取って間に合った。
拭き取るときに体に触れたときに、少しビクッてなっちゃった。まだ気持ちイイなんて・・・。
何とか片付けた後、ベッドの上の風船を見ると、さっきよりもっとかわいらしく見えた。
あの風船と、楽しく遊んだんだ・・・。
そう思うとさらに可愛く見えちゃって、 そのまま優しく抱きしめながら、ゆっくりと目を閉じた。おやすみ〜・・・。
次の日の朝はもうバッチリ!て言うくらいに気持ちよかった。
頭の疲れ?がスッポーンと飛んでいっちゃったみたいだ。
横を向くと、風船が可愛くシーツから半分顔を出していた。
「昨日はありがとう。可愛いよ、チュ!」
風船にキスをすると、唇をゴムの弾力が優しく押し返した。
愛おしくなったので最後にもう一度風船にじゃれ付いてしまった。
「やさしくて、かるくて、かわいいよぉ!」
学校に着いたら真っ先に友達に謝った。
ごめんなさいがこんなに素直に、そしてすがすがしく言えるのは初めてだった。
これも風船のおかげ、かな?ふうせん、ありがとう!初めて風船とひとつになった夜のことを思い出した。
こうなったらもうイクまで止められない。
はやる気持ちを抑えながら、そっと吹き込み口に唇を当てた。
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