基本的モデルの設定

 

 今回はいよいよ機体モデルを作成してみましょう。
 いちばん基本的な機体として、エンジン機のトレーナーモデルを考えます。エルロンは左右独立、エレベーター、ラダーが各1チャンネル、スロットルを加え合計5チャンネルの機体です。


「Model Select Menu」

 

ホーム画面から、ENTERキー(ジョグダイヤル)を長押しし、Model Selectメニューに入ります。設定済みのモデル一覧が表示されます。

 ここでもう一度ENTERキーを長押しするとモデルオプションメニューが出ます。Create Modelを選択すると、モデル作成Wizardが立ち上がります。Wizardはわかりやすく、質問に答えていくだけなので簡単です。現在、選択できるモデルにはグライダーと飛行機しかありませんが、今後これは増えていくことと思います。 基本の機体が出来上がると、自動的にこのモデルが選択されます。


「Model Setup Page」

出来上がったこのモデルを例に、「MDL」ボタンで各メニューを見ていきます。
「MDL」ボタンを押すとまず表示されるのが、MODEL SETUPページです。

@ Model nameは、わかりやすい名前を設定するとよいでしょう。
アルファベットの入力方法にかなり癖があるので最初は苦労するかも。
Model imageは、SDカードの中にある画像データから選択して表示させる
ことが出来ます。もちろん、自分で作成した画像データも表示できます。

A Preflight Checks項目では、送信機電源ON時にチェックされる
スロットルやスイッチの位置を設定できます。
エンジンやモーターを装備する機体ではスロットルのチェックはありの
ほうが良いでしょう。(Throttleが最下方になっていないと警報画面が出る) 
スイッチのチェックは必要なければ×をつけます。

B Internal RF:内臓マルチプロトコル・モジュールの設定。
これが適切に設定されていないと、受信機とのバインドが出来ません。
詳細の設定とバインド方法は、

モジュール・メーカーのホームページ

にて、確認が必要です。
例えばフタバのS-FHSSの場合、RF Freq. fine tune項目の設定が
必要になる場合があります。
 FAILSAFEが設定可能なものはFAILSAFE Menuが表示されます。
電波途絶時に各Chを任意の位置に移動させる設定が可能です。

C External RF:外部モジュールを取り付けた場合の設定。
JRのモジュールの場合はModeをPPMに設定します。この時、
内臓モジュールはOFFに設定します。

FAILSAFEの詳細設定画面


「基本の3画面」

 基本的なコントロール信号の流れは、次の3つの画面で設定、確認できます。

INPUTS:

各舵(スロットルを含む)を操作するためにどの操作端を使うか?という設定です。 
エルロンはエルロンスティック、スロットルはスロットルスティックという風です。
必要に応じて、スイッチの切り替えと組み合わせてD/RやEXPの設定もできます。
右の0〜8の数字はフライトモード(後述)を表します。例えばカーソルのある行の意味は、
「エルロンは」「0〜8全てのフライトモードで」「エルロンスティックから」「100%の入力」で動かす、となります。

MIXES:

いわゆる2つのチャンネル間のプログラム・ミキシングという意味とはやや異なります。
いろいろな信号を組み合わせてどのChに出力するか?という設定です。今回は非常にシンプルで、
例えば、エルロンの入力信号を100%の大きさでCH1に出力する、となります。
ここで、CH5を見てください。CH5は左エルロンです。出力の大きさが-100%となっており、
つまり、右エルロン(CH1)とは逆に動くようになっているわけです。

OUTPUTS:

INPUTS、MIXESで定義された出力信号をどのように出力するか?という設定です。
サブトリム、トラベルアジャスト(上下(左右)別)、出力方向(リバースSW)などが設定できます。
これら3つの流れがすべて適切に設定されていないとサーボは思うように動きません。
このあたりが完成されたメーカー製プロポと違うところで、最初に面食らうところでしょう。


「MDLメニューの各ページ」

「MDL」メニューのその他の設定ページは今回必須ではありませんが、簡単にその機能を説明します。

HELI SETUP: ヘリコプターの場合、スワッシュ・モードなどを設定する。

FLIGHT MODES: ヘリコプター、グライダーなどではおなじみで、最大8個のフライトモードが設定できる。
このページでは各モードでのトリムを共通にするか個別にするか、詳細を設定する。
前述のINPUTS、MIXESでは、フライトモード毎に舵の動作量、エクスポネンシャル等の値を設定可能。

CURVES: スロットルカーブ、ピッチカーブなどに使用可能なカーブを最大32個定義できる。
MIXESページで、「このミキシングはCV1を使用する」などの定義が出来る。
ただし、よく使用されるエクスポネンシャルは、INPUTSやMIXESページに準備されており、
CURVESを使用しなくとも設定できるので、32個も必要か?という疑問も残る。

GLOBAL VARIABLES: グローバル変数。フライトモード毎に変化させたい値を9つまで設定できる。
設定した値は、MIXESの動作量設定などで数値の代わりに入力することが出来る。 
例えば、エルロン・ディファレンシャルに必要な設定値をGV1に入力しておけば、
フライトモード毎に設定した数値を自動的に切り替えることが出来る。
使いこなせば、INPUTS、MIXESなどの設定を劇的にシンプルにすることが出来る。

LOGICAL SWITCHES: 論理スイッチの意味。物理的なスイッチと異なり、どのような状態になったら
作動するか、あらかじめ定義しておくことが出来る。この例では、A1の値が11.0Vを下回ったらONとなる、という意味。
テレメトリ―で、モーター電源電圧低下の警告を出すなど、工夫次第でいろいろな用途に使用することが出来る。

SPECIAL FUNCTIONS: すべてのモデルに有効なGLOBAL FUNCTIONSに対し、当該モデルでのみ有効な機能を定義する。
写真のSF1〜SF4は、それぞれのフライトモードになったら、音声「フライトモード○○」を1回だけ流すという設定。
SF5はタイマーのリセット、SF6は、飛行中にトリム5を使ってGV4(GLOBAL VARIABLES)の値を調整できる、というもの。

CUSTOM SCRIPTS: LUAというプログラム言語を使い、送信機を操作するプログラムを書くことが出来る。
ここまで行くとかなり難しい設定となる。Create ModelのWizardはこのLUA言語で書かれている。

TELEMETRY: さまざまなテレメトリ・データをどのように扱うかを設定する。


これまで解説してきたこれらのページの関係性をまとめてみましたのでご覧ください。
次回は、多くのメニューを使いこなして設定する、モーター・グライダーを解説します。


     
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