もっと楽しく!OpenTXのカスタマイズ

 OpenTXの豊富な機能は到底紹介しきれませんが、今回は、画面や音、便利機能など、OpenTXをもっと楽しく使うためのノウハウについてその一部を解説します。

注:本記事では、OpenTX Ver.2.3.11とRadiomaster TX16S送信機を例題としています。


「モデル写真を表示させる」

 貴方はOpenTXを使ってモデルを設定し、飛行できるようになりました。すると、次に何を不満に感じるでしょうか?たぶん、トップページにモデル名があってもその画像が表示されていないことではないでしょうか?  豊富に準備されているモデル画像から似たような画像を選択して表示させることはできますが、やはり自分の機体の写真をここに表示させたいもの。OpenTXではもちろんそれが可能です!
 まず、表示させたい写真(画像)を準備します。画像編集ソフトで写真をトリミング、リサイズし、必要な大きさのjpg画像を作ります。
 マニュアルでは大きさは155×100ドットとなっていますが、表示する際に自動的に大きさが調整されて画像が荒くなってしまいます。
 TX16Sの場合、192×96ドットまたは、192×114ドットがおすすめです。これは、SDカード内にあらかじめ準備されている多くのモデル画像と同じサイズです。また、ファイル名には日本語は使えませんので注意してください。

 お手持ちの画像編集ソフトでモデル画像を作成します。192×114ドットがおすすめです。
 作成した画像をSDカードに書き込みます。送信機を起動し、PCと送信機をUSBケーブルで接続(送信機側はアンテナ横のジャックを使用)するとSDカードが認識されますので、IMAGESフォルダに当該画像をコピーします。USBケーブルを抜いてから、MODEL SETUPページでModel imageにこの画像を指定してやればOKです。


「画面の表示内容を編集する」

OpenTX対応の送信機、TX16Sは大きなフルカラー液晶画面を搭載しています。この画面を自分好みにいろいろカスタマイズしてみましょう。 TELEボタンを押して、画面の編集メニューを表示させます。  ここには3つのページがあり、画面のテーマ・カラー、分割レイアウトとウイジェットの配置、スライダーとトリムの表示有無などを設定できます。

 (1) User interfaceページ:  こちらはすべてのモデルにかかる基本的な設定です

・テーマの選択  画面の色合い、背景画像などをセットにしたThemeが3つ準備されています。
 Themeを選択することにより、画面全体のデザインが変わります。

・カラー調整  背景色(Background color)とメニュー色(Main color)の調整が出来ます。
 それぞれの色はR.G.B.割合を数字で指定します。指定した結果の色は左側に表示されるので、いろいろいじってみると面白いでしょう。
 Main colorをちょっと変化させるだけでこんな風になります。


春・桜色 248.24.152


新緑の候 48.180.48


夏の海 0.84.216


秋・枯葉色 248.140.0


冬・鉛色の空 128.128.128

・Top barの表示項目設定
 Top bar Setup でモデル別に指定できます。4か所に分割されたエリアにそれぞれウイジェットを置くことが出来ます。
 あまりごちゃごちゃするとカッコ悪いですが、こんなことも・・・

(2) Main view 1ページ: メインページはモデル毎に設定できます。

・画面の分割レイアウトとウイジェット選択・調整
  2分割〜8分割まで自由に設定でき、それぞれの分割エリアにウイジェットを置くことが出来ます。
 ウイジェットの種類は、モデル画像表示、チャンネルモニター、タイマー、バッテリーチェッカーなどいろいろあります。

 ・トップバー、フライトモード表示、スライダー・トリム位置表示の有無指定
  初期状態ではすべてONです。必要ない表示を消すと画面がすっきりします。

(3) Add main viewページ:
 ・メイン画面は合計5つまで追加できます。それぞれのページの内容設定方法は、Main view 1ページと同じです

 


「画面をキャプチャする」

 例えば、この記事に掲載している画面のデータはどのように得ているのでしょう? いろいろ画面表示に凝ってきて、これを友人に自慢したい場合、また、OpenTXの情報交換をする場合、設定画面を示してメールしたい場合があると思いますが、どうしたらよいでしょうか? 実は、OpenTXでは簡単に画面を記録する方法があります。
 GROVAL FUNCTIONS(またはSPECIAL FUNCTIONS)画面にて、次の設定をします。
 この例では、スイッチH(モーメンタリ・スイッチ)を手前に引くと、その時の表示画面がキャプチャされます。
 画像は、SDカードの「SCREENSHOTS」フォルダにビットマップで保存されますので、必要に応じてパソコンにコピーして利用可能です。本記事の画像もこの方法でキャプチャしています。
 画面は何枚でもキャプチャ出来ますが、ファイル容量が大きいのであまり多くの画像を保存するとSDカードの容量を圧迫してしまいます。データをパソコンにコピーしたら不要なものはSDカードから消しておきましょう。


「GROVAL FUNCTIONSとSPECIAL FUNCTIONSの違い」

 GROVAL FUNCTIONSとSPECIAL FUNCTIONSではほとんど同じことが出来ますが、GROBAL FUNCTIONSが送信機全体の機能を設定できるのに対し、SPECIAL FUNCTIONSは個々のモデルにのみ有効な機能であることがその違いです。
 前述の画面キャプチャ機能や、SOUNDの音量調整などはGROVAL FUNCTIONSで行い、各モデル固有のフライトモードにかかる設定や、後述のパラメータ調整機能などは、SPECIAL FUNCTIONSで設定すると良いでしょう。


「飛行中にパラメータを調整する」

 フライトモード毎に異なる値を定義して、ミキシング値などを一括して管理できるGROBAL VARIABLES(GV)、前回の記事ではこれを使いこなすことに主眼を置きましたが、地上だけでなく、空中でもGV値を調整できるとさらに便利です。
 SPECIAL FUNCTIONSには、Adjust GVxというメニューが準備されており、これを使って空中でGV値を調整することが出来ます。
 画面の例では、スイッチGを手前に倒したとき機能が有効になるようにしています。
 GV値の調整は、少しずつ行えるように、T5,T6などのトリムレバーを使います。さらに、値を必要以上に動かさないように、GV値の詳細設定ページで、設定可能な上限・下限を決めておくとよいでしょう。


「送信機を喋らせる」

 グライダーのフライトモードが切り替わったら、「ランディング・モード・オン!」なんて喋ってくれたらうれしいですよね?
 もちろん、OpenTXでは送信機を喋らせるのはお手の物です。
 SPECIAL FUNCTIONSで、フライトモードが切り替わったら、などの条件を指定して、あらかじめ準備された音声ファイルを再生(Playtrack)するように設定できます。以下のように、再生は1回のみか、繰り返しか、など好みの設定が可能です。(上画像参照)

 1X : 1回のみ再生
 !1X : 1回のみ再生(送信機起動時は再生しない)
 1s-60s:指定の間隔で繰り返し再生


「好きな音楽をBGMにする」

 好きな音楽などをSDカードに保存しておき、バックグラウンドでこれを再生(Bgmusic)するような設定も可能です。この場合、音楽をスタートするスイッチ、再生をPauseする機能、音量調整のノブなども同時に設定しておくと良いでしょう。
 ここで設定できる音量調整はすべてのサウンドのマスターボリュームです。BEEP、Playtrack、Bgmusicなどの音量バランスはRADIO SETUPページで調整しなければならないので注意してください。音声データファイルの形式は、

 ・ファイル名 英数6文字以内+WAV(123456.wav)
 ・サンプリングレート 32(16,8)KHz
 ・16(8)BIT、モノラル
 ・Codec PCM     のものです。

 ファイルの置き場所は、sound/en/(English音声を選択している場合)です。
 OpenTXで扱えるファイルは上記のようにCDよりもかなり低音質のものです。また、送信機のスピーカーの品質もそれなりで、音質はお世辞にも良いとは言えません。横にスマホでも置いておいて、それから音楽を流すほうがよほどスマートです。わざわざ送信機に余計な負荷をかけてまで低音質の音楽を再生させる必要はないと思いますが、まあ、こんなことも出来るのだという紹介です。


 「上級編」

「起動画面、ホーム画面を差し替える」

 送信機を起動すると、「Welcome to OpenTX」の音声とともに、起動画面が表示されます。これを好みの画面に差し替えてやりましょう!
 この起動画面の正体は、IMEGESフォルダにあるsplash.pngという画像ファイルです。OpenTXには起動画面を選択するメニューはありませんが、これと同じ解像度の画像を作成し、同名で上書きしてやれば、起動画面を変更することが出来ます。元のファイルはsplash.bakなどの名前を付けてバックアップしておくと良いでしょう。

  Welcome・・・の音声も同様の方法で差し替えることが可能です。(音声ファイルは、sound/en/system/にあるhello.wav)

 ホーム画面のデザインは、USER INTERFACEのテーマを切り替えることで選択できますので、新しいテーマファイルを作ってやれば差し替えられそうに見えますが、自分で作ったテーマはどうしても認識してくれません。そこで、テーマファイルの中にある、background.pngというファイルを直接書き換えてやります。好みの画像を選んで、クラブロゴなどを入れてやると楽しいですね!やはり、元の画像ファイルには名前を付けてバックアップしておきましょう。ホーム画面の画像データは、themes/default/フォルダの中にあります。


デフォルトの splash.png


デフォルトの background.png


 「上級編」

「音声メッセージの日本語化」

 音声メッセージの言語は、RADIO SETUPページで選択できます。多くの言語が準備されていますが、残念ながら「日本語」がありません。
 やはり同じことを考える方がいらっしゃるようで、すでに日本語音声を製作し、公開されているページも存在します。また、ご自分で好きなメッセージを録音し上記6項の形式に変換できれば、自由に好きなメッセージを再生することが可能です。
 Sound/フォルダには「日本語」のフォルダがありません。作成した音声データは、[ru](ロシア語)など、まず使わない言語のフォルダにコピーして使っても良いのですが、この場合、数字読み上げ用などsystem/にあるデータもすべて差し替えないと送信機はロシア語で喋ってしまいます。
 筆者のおすすめは、sound/en/(英語)のフォルダに、jxxxx.wavのファイル名で区別して記録し、その他のメッセージは英語のまま喋らせる、というやり方が良いと思います。


「送信機のドレスアップ」

 TX16S送信機はとてもすっきりしたデザインで、そのままでカッコイイ! しかし、これをさらにドレスアップして使用されている方も多いようです。
 社外品ですが、メタル製のスイッチカバー、カーボン柄のケース、折り畳みハンドル、本革風アシストグリップなどが販売されていて、好みに合わせて選択出来ます。

 機能的な改善も良く行われているようです。
 筆者の場合は気になりませんでしたが、ジンバルの位置がやや浅く、スティックを奥に押し込む動作がやりにくいという意見も聞かれています。そのような場合に、ジンバルを少し沈ませるための改修パーツも市販されています。 このパーツを取り付けた場合、スティックを大きく動かすとケースに当たってしまう場合があり、シムを入れてスティックの動作範囲を制限してやる必要が生じます。その際は、ハードウェアの再キャリブレーションが必要になりますので忘れないようにしてください。

 これらの改造については、バセットさんのブログにて詳しくご紹介されています。ぜひご参照ください。 → バセットさんのひとり言
 このように、世界で1つだけの送信機を作成するのも楽しいでしょう。


 いかがでしたか?  これまでは、ラジコン飛行機を作る、飛ばすという中で、プロポはメーカー製の完成されたものを使用する、という固定概念がなかったでしょうか? でも、プロポが発達していなかった古い昔は操縦装置さえも工夫して一から自作していた時代がありました。それを含めて「ラジコン」の楽しみであったと思います。そしてコンピューター時代の今、OpenTX搭載のマルチプロトコル送信機は、「操縦装置をセットアップする」という古くて新しい楽しみを再度提供してくれたように思います。


     
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