ノンリニア編集
ちょっと頼まれごとで、DV(デジタルビデオ)の編集をすることになりました。
1時間のテープ2本をカットして繋ぎ、タイトルクリップと音楽を入れて1本に収めるというノンリニア編集です。
ノンリニア編集は以前、ミケちゃんの時代にちょっと試したことはありました。DVから IEEE1394 インターフェイスを経由してデータを取り込み、チョイチョイっといじった後でまたDVに書き戻し、概ね問題なく出来ることを確認していました。CPUもHDDも性能アップしたユキちゃんなら楽勝! ...のはずだったんです。使うのは、Ulead Media Studio PRO 6 です。Adobe Plemire と同等の機能があり、よりわかりやすいインターフェイスを持つ、使いやすいソフトです。
まず、DVを IEEE1394 ポートに接続し、ソフト側からコントロールして必要な画像を取り込みます。
1時間のテープで概ね20GB程度になりますが、160GBものHDDを搭載しているユキちゃんなら問題ありません。ファイルシステムもNTFSですから、FAT32にあるような4GBの壁もありません。コマ落ちもなく、2時間分のビデオを取り込み完了しました。ノンリニア編集では、元のデータに一切変更を与えずに切り張りやエフェクトをかけたり、タイトルクリップを挿入したり出来ます。編集データの保存も、ビデオクリップのどの部分を使い、どんなエフェクトを定義している、という情報を保存しているだけですから、とても高速で快適です。
何の問題もなく編集を終わり、いよいよデータの書き戻し、という段になってトラブル発生!
書き戻されているテープをモニターしていると、(パラッ)と一瞬画像が止まりました。
あれっ?と思って見つめているとまた(パラッ)と止まります。あわててテープを止めて再生してみると、やはりコマ落ちが発生しています。これでは実用になりません。
でもどうして? ビデオ取り込み時には発生しなかったのに。原因究明は困難を極めました。
コマ落ちは、書き戻しの時だけ発生しています。
しかし、HDDの読み出し速度を計測してみても25MB/秒と、それほど悪い値とは思えません。
常駐しているソフトを全部終了させて試してもダメ。作業用ファイルを置く場所が悪いのかと、ドライブの指定をシステム以外のドライブにしてみたがダメ。それでは、とHDDにデフラグをかけ、そこに書き込み用のビデオファイルをわざわざ作って試してみてもやっぱり上手くいきません。
ほとほと、困り果ててしまいました。コマ落ちという現象から考えると、HDDの転送が間に合わないのが直接の原因というのは間違いなさそうです。
でもユキちゃんのHDDはATA133のRAIDコントローラーに繋がっているんだぜぇ? それで、転送速度が足りないっていうのはちょっとどうかしてる....でも、ものは試し、最後の悪あがき。使っていないオンボードのATA100のコネクタに、以前不具合で降ろした、IBM DTLA307030 を繋ぎ、こちらからビデオ書き込みを試してみました。すると...今度は上手くいくではありませんか!
数字上の転送速度は、ATA133上のSeagete U6 も、ATA100 上の IBM DTLA307030 も共に約25MB/秒で、全く遜色はありません。
しかし、きっと何か違いがあるのでしょう。こうなったら、徹底的に不具合の究明をすることにしました。いろいろHDDを入れ替えて試した結果は下記。
ケース No. ハードディスク HDDコントローラー READ WRITE ビデオ書き込み 1 Seagate U6 Promise ATA133RAID 25MB/SEC 23MB/SEC × IBM DTLA307030 Onboard ATA100 25MB/SEC 21MB/SEC ○ 2 IBM DTLA307030 Promise ATA133RAID 25MB/SEC 17MB/SEC × Seagate U6 Onboard ATA100 21MB/SEC 23MB/SEC ○ これを見ると、どちらのHDDでもATA133RAIDコントローラーに繋げると、不具合が発生することが分かります。
また、Seagete U6 + Onboard ATA100 コントローラーの組み合わせでは、READ性能が 21MB/SEC まで落ち込んでいるにも関わらず、ビデオ書き込みには影響が出ていません。
これらの結果から、RAIDコントローラーがビデオ書き込みと相性が悪いようです。その後、このRAIDコントローラーのBIOSをアップデートしてみましたが状況は変わらず。
DVのノンリニア編集をやるためには、この、RAIDコントローラー以外の場所にHDDを繋ぐ必要があるようです。ユキちゃんには、RAIDコネクターに2台の 80GB HDD (seagate U6) が接続してあります。
通常の IDEコネクターには、CD-RW、CD-ROM、及び GIGAMO ドライブが繋がっていますが、幸い、コネクターに一つ空きがあります。ケース内の取り回しと、デバイスの優先度を考慮し、接続を変更した結果は下記。
これで、ビデオ編集も問題なくこなせるようになりました。ところで、Windows XP って、HDDの接続方法を変えても、ドライブレターは継承されるんですね! ソフトの環境設定などを書き直さなくて良いのは便利ですね。
旧
新
Promise ATA133RAID PRI Master Seagate U6 80GB (system) 同左
Slave −
−
SEC Master Seagate U6 80GB (Data) 移動
Slave −
−
Onboard ATA100 PRI Master Aopen 48X-AKU (CD-ROM) Seagate U6 80GB (Data) Slave Logitec LMO-D1300AK (GIGAMO) 同左
SEC Master RICOH MP9120A (CD-RW) 同左
Slave −
Aopen 48X-AKU (CD-ROM)