DVD−Rドライブの導入

2002.12.22 追記

 一応、流行りものには何でも手を出してみる・・・訳ではないのですが、話題のDVD+Rを含め、書き込み型DVDについては一通りチェックはしていました。

 どのフォーマットが汎用性があるか、
 書き込みスピードは?
 使い勝手はどうか?

 日本でもっともメジャーになりつつあるDVD−Rは、書き込みスピードがいまいち(等速〜倍速)で、CD−Rの書き込み機能もおまけ程度。これがもう少し速くなれば・・・と思っていたときに発表されたのが、4倍速書き込みを実現した新製品、パイオニアのDVR−A05−Jです。
 本機は、3万円を切るという破格の初期価格(前モデルA04−Jは約4万円)から、発売当初より極端な品薄になっているのは知っていました。先月、秋葉原に出かけたときも、ついに1台もお目にかからなかったのです。

 そんな製品、DVR−A05−Jですが、つい先日地元のPCショップのボーナスセールで、なんと26.7Kのチラシが入っているのを発見。すぐさま、「本当に現物があるのか?」確認に行きました。
 現物はありました。秋葉原では発見できなかったDVR−A05Jが3台も棚に積んであるではありませんか。おまけに調査価格よりも¥3000あまりも安い。すぐさま予約して帰り、その足で銀行に走ったのは言うまでもありません。

ここで本機の性能を確認しておきます。(括弧内は代表的な従来機)

DVD−R 記録4倍速(2倍速)
DVD−RW 記録2倍速(等速)
CD−R記録 16倍速(8倍速)
CD−RW記録 8倍速(4倍速)
そのほか、それぞれの読み出し速度も向上しています。
DVD+R/RW、DVD−RAMには対応していません。

 さてこの新しいドライブDVR−A05Jは、うるさいばかりで性能もたいしたことないCD−ROMドライブ、A−Open 48X−AKUと交換することとします。
 Secondary-IDE バスに、CD−RWとDVD−R、2つの書き込みドライブがぶら下がることになりますが、まあ、同時使用する機会はまず無いでしょうから問題ありません。
 接続も無事に終わり、とりあえずソフトをインストールして何か焼いてみます。
 CD−RW、DVD−RWにHDD内のデータを適当にぶち込んで正常に作動するか試してみました。結果は、もちろん正常です。そして、さすが音響機器のパイオニア、動作音も非常に静かです。常に「ひゅ〜ん」と五月蝿いリコー MP9120A とは雲泥の差で、ちゃんと動作しているのかどうか心配になってくるほど。そして、非常にクール。リコー MP9120A では、焼き上がったCD−Rは「ほかほか」でしたが、本機では触った感じも冷たいままです。ドライブの発熱が少ないことは、前モデルで装備されていたという廃熱ファンが取り外されていることでも判ります。

本機は付属ソフトが大変充実しているのも特徴の一つです。

DVD-VIDEO の作成機能も付いた統合型ライティングソフト、「Drag'n Drop CD/DVD」
パケットライト機能が統合された高機能ライティングソフト、「Instant CD/DVD」
とても簡単なDVDオーサリング・ソフト、「My DVD」
自由にメニュー構成ができる高機能オーサリング・ソフト、「DVD it! SE」
ビデオコンテンツ作りに欠かせない編集ソフト、「Show Biz」
最後に、DVDプレイヤー、「Power DVD XP」

そして、これらのソフトをすべて解説した入門本「キミにもできるDVD」など・・・

 これらのソフトを使えば、とりあえずDVDの作成に関することは何でも出来ちゃう訳ですが、それぞれのソフトが同じような機能を持ちながら、出来る範囲が1長1短。初心者はきっとすべてのソフトをインストールしてしまって、どれをどのように使ったらいいのか、迷ってしまうんじゃないのかなぁ・・・・。もっと同メーカーの系列品でそろえるとか、添付ソフトは厳選してほしいですね。
 まあ、全くの初心者は内蔵用のベアドライブなんて買わないからいいか・・・

 動作確認も終わったので、HDD内にあったデータを使ってDVDビデオを作ってみることにしました。
 約1時間もののAVIファイルを2本、1つに纏めてDVDに焼きます。
 まずビデオ編集ソフト Show Biz を立ち上げて、2本のAVIファイルを読み込みます。前後をちょっとトリミングし、2本ビデオの間のトランジションを設定してレンダリングし、結果を My DVD に渡します。DVD用の MPEG2 データが作成されるまで、約5時間!
 My DVD で簡単なスタートメニューを作成して、いざ焼き込みを実行、と思ったらまたそのデータを準備する時間が約30分。でもやっと焼き込みが始まったら、4倍速の威力でたった15分
出来上がったDVDは他のPCでも、もちろんプレステ2でも!再生できました。すごいじゃん!


 さて、このDVD−Rドライブを使用しはじめて約2週間、いくつか気がついた点を追記します。

 まず、メディアの入手性ですが、以前として悪いです。このドライブを買ったPCショップでさえ、まだ新規格メディアは入荷していません。この4倍速対応メディアは、旧規格のドライブ(2倍速以下)で書き込みを行うとメディア/ドライブ双方の故障の可能性があるということで、その注意書きシールが貼られています。(対象ドライブはファームウェアのアップデートが必要)

 この対策が行われているのかどうかはわかりませんが、すでにかなり普及してしまっているDVD−Rドライブや、家電DVDレコーダー。トラブルを避けるために積極的に新規格ディスクを売ることが出来ないのかも知れません。

 次にドライブ(ソフトウェア?)の安定性です。
 新規格ディスクの入手性が悪いので、旧規格1倍速記録のディスクも試してみました。
 使用したのは、この分野のデフェクト・スタンダードとも言うべき、太陽誘電製の That's ブランド。このディスクで不具合が出るようなドライブはお話になりません。ところがです。
 このディスク、もちろん2倍速記録が可能なのですが、書き込み終了時にかなりの確率で Windows がブルースクリーンとなって再起動してしまいます。成功した場合でも、とてつもなくOSの動作が遅くなり、調べるとなぜかCPU使用率がずっと100%のままです。出来上がったディスクはちゃんと読み出し可能なのですが、OS自体が落ちてしまうとは困ったものです。
 まだ何十枚もDVDを焼いたわけではありませんので、どのような条件の時に発生するのか、法則性があるか、また、これがドライブのせいなのか、ライティング・ソフトのせいなのかはわかりません。しかし、これは4倍速メディアの場合は起こらなかった現象です。

 他には、CD−Rを作成しようとした場合、24倍速対応メディアであるにも関わらず、書き込み速度が8倍までしか選択出来ない、という現象もありました。これは、CD−Rメディアの情報を読んで判断しているようですが、台湾製激安メディアの中にはこの情報がいい加減なものがあるかららしいです。まあ、これは書き込みの安定度を重視すれば悪いこととは言えないのかも知れません。
 ちなみに、私は、CMC magnetics (Mr.DATA)のプリンタブルのメディアをよく使うのですが、これで8倍速固定はチョット痛いです。以前から使っている、Ricoh MP9120A では、問題なく12倍速で焼けているのに・・・・


総評(追記後):

 ドライブ自体は、作動音も静かで、4倍速メディアを使用する限りは安定動作しています。
 付属のライティングソフトは、慣れていないせいかちょっと判りづらくて不満。
 使い勝手について、DVDビデオを作るうえに於いては、オーサリングに5時間以上かかることを考えるとあまり4倍速というメリットもないが、このディスクの複製やデータディスクの作成が約15分で出来るのは魅力。しかしそういう機会はどれほどあるか・・・・
 データのパックアップにはDVD−RWを使いたいところ。しかしこれがまだ等速〜2倍速までしか対応していないのは痛い。さらに現状ではまだ2倍速メディアが殆ど手に入らない。パケットライティングも安定して動作するが、いかんせん等速では書き込み時間が長すぎる。
 メディアの入手性が難。このドライブ購入店でさえ、4倍速メディア(DVD−R)は手に入らず、これを置いていたのは地元4件のPCショップのうちわずか1件。倍速DVD−RWメディアについては全滅。したがって、本ドライブの性能を100%発揮させるためには時期尚早。あわてて購入する必要もないかも。
 また、良いところばかりを書いてきましたが、メディア(特に4倍速)の耐久性については当然のことながら不明。これから数ヶ月たって大事なデータが消えちゃった、などということにならないよう祈りたいですね。


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