DG-505 ELAN Orion
2019年5月1日開始
9月20日Update本機、DG-505 ELAN Orionは、ヤフオク!で入手しました。これがその時のメーカー・オフィシャル写真です。
この写真と入札価格****円(あえて伏せます)を見せられたら、こりゃ触手が動かないわけありません。
どんな機体だろう? メーカーは? どうしてこんな価格で出品を? 早速、いろいろ詳細を調べてみました。まず、メーカーは思った通り中華製。Fly-Fly Hobbyは私が以前制作した、Salto、DG-1000のメーカーです。
経験的には、出来がごつく重量は重め、接着や精度などの面でやや難あり。
本機は製造が終了して久しいものの、香港のショップでまだ販売しているところがありました。
直接購入も考え値段を調べましたが、機体価格23K円で送料が同じく23K円! 合わせるとオークション価格を上回ってしまいます。
ちょっと躊躇うところもありましたが、手を加えれば何とかなるだろうとの判断で入札を決意しました。
やってきたのは、長さ1800mmのごついダンボール箱。またまた嫁さんに顰蹙を買ってしまいました。
早速、箱を始末するべく開梱し、モノの状態をチェックします。以前制作したSalto、DG-1000とほぼ同様、胴体はグラス製で厚手の塗装済み。ゲルコートではありません。恐ろしくきれいですが、重い! 機首のバランスウエイトがどのぐらい必要か、心配です。
キャノピーは自分で胴体に合わせて切り取る必要があります。
コックピットを再現するプラスチック製のトレーがついていますが、これを使うかどうかは悩ましいところ。
胴体内はすこぶる広いので、いくらでもコックピットに凝ることができます。主翼はバルサリブ組み、フィルム貼り。こちらも重い!
見た感じ正確に出来ており、スポイラーとともに、フラップが再現されています。舵面は折角フィルムヒンジで綺麗に取り付けられているのですが、主翼と舵面の間に大きな段差が約2mm! すべての舵面がこのような感じ。どうやって修正しましょうか?
また、このシリーズの機体ではカンザシ受けの接着不良による空中分解の事例が報告されており、私もあらかじめフィルムを剥がしてチェックするつもりでいました。しかし、このフィルムがまた綺麗に貼られています。 どうしよう・・・・
付属の引込脚はアルミ製でしっかりした作り。とても中華製とは思えない(失礼)
しかし、これを取り付けるマウント部分がいただけない。すでに接着が剥がれて胴枠が浮いてしまっています。
よく見るとこの付近の胴体を外から押したような傷を発見。胴枠が剥がれたのはそのせいかな?全体の寸法を測ってみると、実機図面と比べても大きな祖語はなし、スケール比は約1/4.9となっています。
ただ、主翼の強度と翼面積を稼ぐためか、翼弦は約10%拡大され、実機にある翼端近くの後退角部分は省略されています。
そのためか、ややボテッとした印象を受けることも。(図面参照)尾翼周りは、水平尾翼取付ビス穴がちょっとずれて開いていること、エレベーター・サーボが水平安定板の中に設置されるような設計になっていることが気になる点。あとは中国機によくある垂直尾翼付け根の強度不足ですが、これは飛ばしてみないと判らないかな? 以上、点検しながら各パーツの重量を測ってみると、付属のリンケージパーツを加えて合計3,250g ノーズのウエイトを500g、すべてのメカで500gとすると、飛行重量は最低でも4.2kgを超えます。
大丈夫かしらん?
「製作開始」 |
本機の制作は、本来であれば、
となるはずですが、と〜ぜんそんなことでは終わりません。 |
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接着が浮いてしまっているギアマウント(胴枠)を取り外し、グラス部分をアルコールで拭いて脱脂します。 胴体内面をサンドペーパーで軽く荒らし、再度、ギアマウント(胴枠)をポリ樹脂で接着。衝撃で外れないように、キャノピー・シル部分にまでべニア板を伸ばして補強します。 さらに前方のメカトレイ部分にも接着の剥がれがあることを確認。メカトレイは特に必要ないので、この際、撤去しちゃいます。 胴体内が広くなったぁ〜 ギアマウント前方部分にあった外部からの打ち傷ですが、ここは通常の着陸時でも地面に当たりそうなところ。グラス布を1枚当てて補強しておきます。 |
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ここで、まず当機に搭載する予定のメカ類を集めて準備し、点検しておきます。 バッテリーは、以前入手していたTURNIGY NANO-TECH エアガン用 3セル/1200mAhのリポ、スリムでどこにでも収まりが良さそうです。ここからスイッチを経由して、ノーブランドの5Aレギュレーター、受信機はコロナR8DM-SB(8チャンネル)です。 まず、リポ、スイッチ、レギュレーターに適切なコネクターをハンダ付けします。 サーボは、
他機からの使いまわしや、適当に手持ちの品を寄せ集めた結果、こうなっちゃいました。図らずも?すべてが中華製品です。(笑) 電動スポイラーは組込済みですので、動作確認をし、ストロークと動作開始点を送信機側で調整します。特に異音もなく左右揃ってスムーズに動くようなので、これは合格です。 引込脚ユニットにサーボを搭載し、リンケージします。 |
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水平尾翼は、スタビライザーとエレベーターの厚さが違い、なんと最大3mmもの段差が出来ています。 |
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エレベーター・サーボは水平尾翼内に装備する面白い設計になっていますが、これは垂直尾翼に内装するよう改造しました。 |
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水平尾翼を仮付けし、ほぼまっすぐ取り付くことを確認。こんな感じで、エレベーター・ホーンの取付位置とサーボの搭載位置を決め、埋め込みます。サーボは、スーパーX2で接着しました。 ところで・・・ |
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胴体内部は、引込脚ユニットを取り付けました。 というか、仮付けしたら取れなくなってしまったというのが正直なところ(笑) ラダーサーボのベッドを作って、引込脚と干渉しない位置にスーパーX2で接着します。 |
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次に、トウ・ユニットを製作して機首に埋め込みます。 これをやらないと、コックピット、キャノピー周りの製作に入れないので・・・ 市販のトウ・フックをベニヤ板に固定し、ミニサーボにリンケージして動作させます。 ベニヤ板の形状は、胴体内部に型紙を突っ込んで現物合わせで決めました。 |
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完成したユニットを機首に挿入してみると、ご覧のようにピッタリです! 実は、多少大きめに作ったので、かなり削って合わせました。 これもスーパーX2でがっちりと接着します。 このユニットの上下には、後程、相当量のウエイトが詰め込まれる予定です。 |
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ラダーは、ワイヤー・リンケージです。 キット付属のワイヤーは約1mmと太くて重いのと、長さがギリギリで扱いにくかったので、ホームセンターで0.8mmのステンレス・ワイヤーを買ってきました。 ラダー舵面側はシンプルにスリーブをカシめ、サーボ側にアジャスターを設けます。 ラダーは付属の棒ヒンジ3本で装着。 |
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気分を高めるために胴体のデカルを貼ってみました。 ちょっとオシャレに、60's Soaring Club? ロゴも緑色で作って追加! しか〜し!よく見ると垂直尾翼の「A7」の文字が実機写真と違う!反対側は正しいのですけどね。 これ、本当は、尾翼の左右で傾きが反対でなきゃならんのですよ。付属していたデカルは全く同じものが2枚・・・さすがチャイナ・クオリティー このデカルだけ作り直そうか思案中です。 |
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ここで、最大の心配の種。カンザシ周りの強度についてチェックすることにしました。 本機では、普通の飛行においてさえ空中分解したという外国のレポートがあったからです。 カンザシをしっかり奥まで差し込み、曲げ荷重をかけます。どのぐらいの荷重に耐えれば良いかというと・・・ 完成予想の胴体の重量が約2kg、これを左右の主翼で分担して支えるわけですから主翼それぞれ1kg、これが、主翼の平均弦付近(根元から約80cm)にかかる荷重です。一方カンザシの差込長さは約20pなので、荷重は4倍の4kg これで5倍ぐらいのGに耐えれば合格として、加える曲げ荷重は4×5で約20kg! う〜む、結構な力だな。 私の持つ秤は裏技を使っても5kgぐらいまでしか計れないので、あとは目分量で!(笑) まあ、ミシリとも言わないので多分大丈夫でしょう。あらかじめ切開手術するのはやめにしておきます。 |
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本機にはフラップは不要!という判断で、舵面を固定することにします。 もちろん、フラップ用のサーボは積みませんのでその分軽量化が図れる目論みです。 舵面はフィルムヒンジで取り付けられているので、上面側のみ残して下面のフィルムを写真の位置まで剥がします。カイモノを入れで舵面を固定し、再度フィルムを貼って仕上げますが、例によって舵面と主翼側の厚さが合っていません。2mmバルサを舵面側に貼って修正します。 |
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段差をバルサ材で埋め、サンディングした後の状態が下。さらにフィルムを貼って仕上げた状態が上です。全く、苦労するキットです。 | |||||||||||||
都合で8月にあまり製作が進まなかったため、やるべきことがまだまだ残っています。 写真のように、作業の予定表を作ってみると、やるべきことと作業の進捗がはっきりを分かって好都合です。 さて、本機はイベントに間に合うのでしょうか? |
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予定表によれば、この週末はキャノピーフレームの製作になっています。 本機のキャノピーは、コックピットを模したプラスチック製のトレーと接着して一体化させ、実機同様の横開きのヒンジで開閉できるようになっています。 しかしこれではせっかくの広いスペースにコックピットを作ることは出来ませんし、大きさの割に薄いキャノピーが横開きヒンジに耐えれるとは思えません。 そこで、現物合わせでベニヤを切り出してキャノピーフレームを製作。取り付けは前方にノックピンと後方にネオジのマグネットを2つずつ配して装着するように変更。このフレーム切り出しに結構時間と手間がかかりました。 |
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やっとフレームが完成、キャノピーを合わせて接着します。ところが、きちんと閉まるはずのキャノピーが全く閉まりません。どうやら、キャノピーを接着するところでフレームが微妙に曲がってしまうようです。キャノピーをいったん剥がし、あっちこっち切ったり貼ったり・・・えらく苦労する羽目になりました。 やっと完成に近づいてきましたが、時間の関係でコックピット製作は今回諦めることにします。 メカを固定し、庭に持ち出して全体を組み立て、アライメント、重量重心、そしてメカの動作チェックです。 |
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まず、すべての舵面をぐりぐり動かしてみますが、あれっ?右のエルロンが動きません。サーボ単体ではちゃんと動いていたはずですが? もう一度、コネクター周りを確認すると、信号線のピンが1本固定されていないことを発見!どのように差し込んでも抜け出てしまいます。仕方がないので、接着剤で固定することにしました。その他のコネクターも接触を再チェックすることに。またしてもチャイナ・クオリティーにやられそうになりました。 |
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重量重心のチェックはいつものように、機体を重心位置(であるべき位置)を支点とする天秤ばかりと仮定し、機首に搭載が必要な錘の量を算出するやり方です。 まず、メインギアとテールギアの位置で重量を測定。メイン3,040g、テール380gで、それぞれ重心位置からのモーメントを算出します。そのモーメントを釣り合わせるための機首の錘は483gと算出されました。これらを合計した全備重量は、3,903gとなります。 あれっ、意外と軽い? こりゃ飛ぶぞ、きっと! これから、コックピットを製作した場合は、その分機首の錘を減らさなければなりません。それらの計算が簡単にできるように、エクセル表を作っておきました。 |
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次はいよいよ初飛行です |