CIVILのRC飛行機工房

風と遊ぼう(Sailing Yacht)

2007年11月4日
2008年4月22日Update


スケール機や水上機、そして最近はグライダーに力が入っている私ですが、先日水上機の合間に走らせていた知り合いのヨットをチョット触らせてもらい、すっかり嵌ってしまいました。
頼れるものは風ばかり、弱風、強風をうまく掴むテクニック、スピードの乗りはセッティング次第。そう、これはグライダーに通じるものがありますね。
そんなわけでついに買ってしまいました、京商の Fairwind 900
今回はちょっと趣向を変えてこのヨットの製作と調整について書いてみましょう。
これが某S模型店にてハズミで買ってしまった Fairwind 900 です。
艇長900mmと手頃な大きさのABS製。カーボンやFRP製はちょっとお高いので・・・
同時に、双葉のセールサーボとキールに埋め込む鉛のウエイトを購入しました。
必要な部品をすべてアドバイスしてくれ、おまけにヨットクルーのフィギュアまでもらっちゃいました。S模型さんに感謝!
まず、不安定なハル(船体)を置くための船台を作ります。まずここで材料には説明書に無い穴が開いているのが??? この穴は無視しちゃって船台を作りました。

ABS製のハルには左右の合わせ目に大きなバリが出ています。浸水を防ぐためにしっかり接着面積を取ってあるのでしょう。この大きなバリを削り落とすのがまず手間のかかる作業です。

ルーターにヤスリを取り付け荒削り、棒ヤスリとサンドペーパーで仕上げます。
削り傷と目立つ合わせ目にはポリパテを擦り込み一磨き。キットはかなり古いものなのでプラスチックは黄変しており塗装は必須です。
まずいろいろ擬装を始める前にアクリルの白でハルの塗装を済ませることにしました。
塗料の乗りが良くなるように、塗装前に400番ぐらいのサンドペーパーで全体を水研ぎ。
ABSの表面にはワックスが付着しているので、水には台所洗剤を少しだけ混ぜておきます。

晴れた休日を狙って、朝上面を塗り乾燥後、夕方下面を塗ります。
サラリーマンは週1回しか塗装のチャンスがないので大変です。

デカールを貼ってからのクリアー掛けは翌週、白塗装同様、朝夕一日で終わると思っていたのですが・・・・
ところがどっこい!
同じアクリル塗料でもメーカーによって特性が違うんですね〜
上塗りに使ったクリアはいつまでたっても表面が柔らかいまま。ひっくり返せるまでに丸3日もかかってしまいました。
塗装だけで占めて3週間! なにやってるんだろ・・・
塗装が終わりここからいよいよ本当の組み立てです。
キールの内側にオモリの鉛玉を投入、木工用ボンドで固めます
マストの支え、メカベッドなどのベニヤ部品はありあわせのニスで防水処理をしてからハルに組み込みました。
ここでまたまた失敗!
オモリの部分も防水!と思って余ったニスを流し込んで固めようと思ったのですが、これがまた鉛球の隙間に染み込みいつまでたっても乾かない!
あげくのはてに表面のABSがシンナーで侵されて膨らんでくる始末「写真」
ドライヤーの風を送り込んで強制乾燥に1週間、なにやってんだろ・・・(その2)
やっとシンナー臭も薄れてきたところで擬装作業。
指定された場所に指定の大きさの穴を空け、プラスチックパーツなどを取り付けます。
そのほとんどは走行性能には影響ないのですが、マストの受け、セールワイヤーの取り付け部などは外れないようしっかり固定する必要があります。
ところで、小さなパーツ取り付けに指定されている1mmのドリルっていったい・・・
2mmのタッピングビスを使用するのには、ドリルは1.5mmが適当です。
セール周りにすべてのリンケージワイヤーを取り付けます。
各ワイヤーはそれぞれ長さが違い、ワイヤー止め、サルカンなど通すのを忘れると大変です。
私は2本ばかり失敗してしまいましたが、付属しているワイヤーの長さはほとんど余裕なし。
長いワイヤーを先に作って、もし失敗したらそれを切ってより短いワイヤーに作り直し、そんな配慮が必要です。

船体にマストを立て、セールを張ってみると・・・
でかいです。家の中には飾る場所がありません。どないしょ〜
何回もコードの結び目を失敗しているので左右のコード止めの位置が違います。みっともないなぁ
セールサーボを動かし、セールが開いたとき、閉じたときの開度を確認します。
全閉で5〜10°、全開で45°ぐらいになるよう、サーボのATVで調整しました。
(プロポはJR社往年の名機、Apex Computer、クリスタルを40MHz地上波に差し替えて使用)

内部のメカ搭載状況です。
受信機と電池は少々水をかぶっても良いようにビニール袋でくるみます。
さすがに、沈することまでは考えておりません(笑)

受信機の電源は長時間の走行を考えて Ni-MH 2100mAH のパックを搭載しました。
これは最近飛ばしていない飛行機から降ろしたものですが、充電してみてもエラーになり全く充電が進みません。リフレッシュモードで3回ほど充放電を繰り返し、やっと正常と思われる状態に復帰しました。放電量1800mAぐらいを表示しているので、まあ、使えるでしょう。
一応これで走らせてみることにします。
走行に支障の無い前後の手摺り、浮きなど、擬装パーツの一部はまだつけていません。


2007年11月3日

私をヨットに誘い込んでくれた某M公園の皆さんにお願いし、Fairwind の進水式を行いました。

メンバーの中には同型艇を持っているベテランが2名おり、調整については心強い限りです。
また、写真には写っていませんが、NMFCからカップレーサーCR-914をひっさげてシゲちゃんも駆けつけてくれました。

朝いつもの喫茶店でモーニング・ミーティングをした後、近くの池に移動。早速各自のヨットを組み立てます。
この日は秋らしくほぼ快晴で微風。ヨットを走らせる条件としては少々もの足らないようですが、のんびり一日過ごすには絶好です。

ベテラン諸氏のチェックの結果、我が Fairwind は特に問題なさそうです。
まあ、ちゃんと取説どおり作りましたから・・・(笑)
ABS製ハルの割れやすい部分、長期間の保管に気をつける部分などいろいろ情報を頂きました。

早速、進水式です

  

このあと、走行方法等のアドバイスをいろいろ頂きながら、一日のんびりとレースなどを行って過ごしました。
昼過ぎには時折10ノット以上の風が吹くこともあり、セールにいっぱい風をはらみながらのスピード感あふれる走行も楽しめました。

この後は当日の写真とビデオを紹介します。


走り出したCIVILのフェアウィンド


すぐ近くでも微妙に風が違う


3艇のフェアウィンド


風が無くなりみんな立ち往生


こちらでも大型艇3艇が・・・


初走行に緊張の操縦中


K氏の Seawind 離水!

レガッタ!

(WMV形式 約2分 6.7MB)


Seawind が無事帰還です


K氏のフェアウインド


Su氏のフェアウィンド


WATさんの Victoria


ガキちゃんのNorthwind


フェアウインド2隻でデッドヒート


デッドヒートでブイに向かう


2007年11月10日 艇の再調整

さて、ヨットを製作して上手に走っちゃいました〜 では製作記の意味がないので(笑) 初走行で気になったことを検証、調整することにしました。

気になったこと、それはセールのコントロールが時々うまくいかなくなることです。
1点は、ジブセールが調整どおり開かなくなるときがあったこと、
もう1点は、メインセールが片側(右側)に開いたまま閉じなくなったこと、でした。
いずれの現象もいつの間にか途中で直ってしまったので、???ですが、なぜそれが発生したかを考察して、考えられる対策をとることにします。

これは、艇内のラインの正常な通り方、左上が船首です。

ジブセールを引っ張るラインはセールサーボのアームからいったん後ろに伸び、最後部でリターンされてアームの上方を通って船首の穴に伸びています。

ところが・・・・

セールが開くようにセールサーボを動かしても、風が無い場合はこのラインは艇内で弛んでしまいます。そして、このようにセールサーボ・アームの根元に引っかかる場合があることに気がつきました。そうするとジブセールはいっぱいに開かなくなってしまいます。
これは何らかの対策をしたほうがよさそうです。

 

そこで、このラインが下に弛まないように、サーボの上にピアノ線で支えを作ってやりました。
胴体の補強材のところに穴を開けて差し込んであるだけなので、すぐに取り外すことが出来ます。サーボや受信機等のメンテナンスが必要になった場合でも邪魔になることはありません。

次にメインセールが開きっぱなしになる件、
これは艇内を見てもメインセール用のラインが引っかかるところはありません。そこで、艇の外部をチェックです。

 

そして気になったのがこれ、キャビン左右に4つ付いているこの飾り、これにセールワイヤーが引っかかったんじゃなかろうか?
実はこれ、キャビンに固定されておらず、内側からゴムで引っ張られて止まっています。手でつまめばご覧のとおり外れます。説明書にはその理由は何もかかれていなかったのですが、これはセールワイヤーが引っかかったときに倒れて外れるように出来ているのではないかと・・・・ 今回のトラブルでやっとわかりました。
そして私の艇の場合、この右のやつに接着剤が付着して動かなくなっていたことが判明しました。

セールを開き、ワイヤーが弛んだときにこの右側の飾りに引っかかって閉じなくなったのでは?と想像するとつじつまが合います。さっそく付着した接着剤を取り除き、自由に動くように直しました。

あと、セールにあったフェアウィンドのマークがちょっとカッコ悪く感じましたので、クラブのマークを作って貼りなおしちゃいました。

さて、次回のレガッタはトラブルなく完走できるでしょうか??


2007年12月23日 調整と改善

セール・コントロールのラインが艇内・外で引っかからないよういろいろ工夫をしていましたが、12月9日に行った、

レガッタ!2007 Winter

において、やはりメインセールが閉じなくなるトラブルが起こりました。
やはりこれはもう一度セールのコントロールを見直してやらねばいけません。
再度、キャビンを開いてみました。

  

左は、ジブセールに向かうラインが下に弛んでサーボアームに引っかからないよう、支えを設けたところです。これは前回の改善事項。ところが、

セールサーボが全開位置まで動き、かつラインが弛んだときにジブセールのラインがアームの外側を回りこんで下に入ってしまうことがあるのを確認。(中央)そうなると、

セールサーボが全閉に動こうとしても、ジブセールのラインがアームとピアノ線に引っかかりサーボの動きを阻害します。(右)
このときジブセールのラインは引っ張られているので全閉になりますが、サーボアームが動ききっていないためメインセールは半開きです。もちろんサーボにも無理がかかって故障の恐れがあります。

というわけで、もうひとつ支えを追加しました。
2箇所の支えでジブセールのラインを持ち上げているため、これでサーボアームに引っかかることはまずないでしょう
もう1件、フェアウインドのメインセールの支えは3mmのピンをはめ込んであるだけで、強風時に図のようにピンが緩み、セールが外れていることがありました。
こうなると正常にコントロールできません。そこで、
3mmのステンレス六角ボルトとナイロンナットでセールを固定しました。
これでもう外れることはないでしょう。
他の艇はみんなこうなっているのにね・・・

さて、明日は今年最後?のレガッタです

12月24日、クリスマスイブというのにいつもの池に集合してレガッタを行いました。
とはいっても、用事のある人も多く、集まったのは3艇です。
改善の結果、心配していたセールの引っかかりもなく、スムーズにコントロールできました。さすがに強風でなかなか操船に苦労はしましたが・・・・

次回は、強風時にもっと安定性を上げるべく改善を考えます。


2008年4月6日 お化粧直し

さて、さすがに冬の寒い時はセーリングにも出ず、艇をいじることもせず、なんとなく保管してあっただけですが、いよいよ水も温みシーズン到来!? レガッタのお声もかかったので、遅ればせながら艇の点検とお化粧直しをすることにしました。

まず、若干ほつれていた艇内のラインを張替え、ラダーのガタも直します。
ラダーはセットスクリューの締めすぎか、なんとプラスチックのホーンが割れて外れる寸前でした。これを瞬間接着剤とカーボン・ロービングで補強し、取り付けなおしました。
皆さんもしばらく触ってなかった艇は点検したほうがいいですよ〜

もうひとつ、せっかくですから艇のお化粧直しをすることにしました。
フェアウィンドは一応スケール艇ですので、手すりや浮きなどの艤装パーツがいっぱい付いています。
これまでは「まずは走らせてみよう!」ということで、艇のデッキはご覧のようにスッキリのまま。
この際ですから、全部の艤装パーツをつけてみましょう。
船首、船尾の手すりを取り付け、ロープを張り、操舵輪とフラッグ・ポールも取り付けました。
メッキパーツが多いのでなんだか派手な雰囲気に・・・。
これで準備万端。池に浮かべるのがまた楽しみになってきました。
その春のレガッタは、2008年4月20日、岐阜県の某ダム湖で行われました。
のどかな水面に浮かんだ FAIRWIND はまるで実艇のようで見惚れてしまいました。
レースではレーシング艇 SEAWIND にあっさり抜かれてしまうのが悔しいですけど・・・・

本ページの画像は、Canon IXY Digital 50 で撮影し、
Photoshop 7.0 と Windows Movie Maker で加工し、作成しました。
撮影協力:ミノリッチ氏、空者氏。どうもありがとうございました。 


  
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