2005年11月12日 スタート
12月10日 更 新
空中分解〜墜落してしまったGHOST
空中分解に至るフラッターがあまりにも酷かったので、私は、製造元 ART Hobby への問い合わせ、世界中のユーザーが集まるフォーラムなど、いろいろ情報の収集を試みました。しかしどこにもフラッターの報告は無く、また、先日電動化を完了しテストしている岩たんさんのGHOSTでも全くフラッターの兆候は見られないということですから、これは私だけのレアなケースである可能性が高まりました。
確かに、飛行初期に着陸失敗、手投げ失敗で上下のモールドが剥がれたことがあり、そのときの修理が不良であった可能性も否定できません。また、重心位置が図面指定より10mm前方で、エレボン位置がニュートラルより約2mm上方にズレていたことから、翼にかかる力の分布が変わり、振動を招いた可能性もあります。
フラッターというものはいろいろな要素が複合して起こるものであり、ただ単に強度不足や舵面のガタ、撓みが原因とは言い切れない部分があります。
特に今回の場合は翼全体が羽ばたいて破断していますから、翼の固有振動数が空力的振動と共振した結果であり、翼の剛性アップはもちろんのこと、振動数をずらす、振動特性を変えるような改造が望ましいだろうと考えます。さて前置きが長くなりましたが、ART Hobby 社からの情報ではこの型のGHOSTは輸送上の問題からすでに製造を中止しているとのことで、もう手に入らないこの貴重な機体を何とか復活させるべく検討に入りました。
12月10日 修理後初飛行
飛行テストは、尾西ラジコンクラブの飛行場をお借りしました。
すでに実績のある機体ですが、半年前の悪夢のようなフラッターの光景が頭をよぎります。Viper佐藤氏に手投げしてもらった本機、若干上昇力が弱いのは修理で重くなったせいか、寒さでリポが冷えているためか・・・
フラッターの兆候がないかどうか、風切音の変化に注意しながら何度か軽くダイブさせます。
ロール、ループ、急旋回等を行っても特に異常はなく、修理は成功であったと言えるでしょう。フライトビデオ→ WMV9形式、2.02MB
重心位置を変化させたことについて
今回、図面指定から前方 10mm にあった重心位置を、尾部に重りを積むことで図面通りの位置まで後退させました。
トリム的にはほとんど変わらず、エレベーターの追従性が非常に良くなり、飛ばしやすくなりました。
着陸時もかなり「釣って」持ってくることが出来、接地も容易となりました。
舵角、EXP等は変えていません。さて、一度は諦めた幽霊(GHOST)は、まさにゾンビのごとく復活しました。
さすがに「見えなくなるほどの上空からのダイブ」は試みておりませんが、今後少しずつ飛行の「領域拡大」を行って、様子を見ながら安全に飛行させていきたいと思います。
本ページの画像は、Canon IXY
Digital 50 で撮影し、
Photoshop 7.0 で加工し、作成しました。