こんなことやってみました!
サブマイクロ・デジタルサーボを試す
2005年11月6日
安価で性能抜群のARFモーターグライダー、Monton1600V ソアリングからハイスピードのダイブまで何でもこなすこのグライダーで楽しく遊んでおりましたが、先日、突然エルロンの効きが鈍くなるというトラブルが発生しました。緊急着陸して調べたところ、片側のエルロンが全く動いていないということが判明!
ポンポンと主翼を叩いてやると復帰してしまいましたがこれはなんとも不安。コネクターや半田付け部分の接触不良を調べているうちに1度だけ現象が再発。どうやらサーボ単体の不良のようです。
エルロンに使用していたサーボは、Waypoint W-150。軽量で安価なマイクロサーボですが、評判を聞くにどうも信頼性がイマイチです。突然動かなくなった、振り切った、ニュートラルがズレた、などあまり良い話を聞きません。同社の W-084(本機のVテールに使用)の評判も同様なもので、本機は「いわくつきの」サーボを4つも搭載して飛行していることになります。おおこわ!改善を考えていたところ、友人からサブマイクロサイズのデジタルサーボで良い製品がある、という話を聞き、これを試してみることにしました。トラブルのあったエルロンはもちろん、少々作動が心許なかったVテールのサーボもこれに換装、同時にリンケージの見直しも行ないました。
これが今回導入したサブマイクロサーボ HDS-877 韓国製、メーカーは不明です。お値段は 4K です。
どこかのブランドのOEM元ではないかと思いますが、私が調べた限りでは有名メーカーの同等品は見つけることが出来ませんでした。
サイズは、Waypoint W-084 とほぼ同じ、W-150 よりは一回り小さく、重量は 11g あります。サーボホーンはサイズの割にはがっしりしたものが3つ、丸型、十字、I型が付属しています。
サーボのセレーションは独自仕様で、Waypoint、GWS、OK模型、JR、フタバ、5社を試しましたがどれとも合いませんでした。
ギヤはプラスチックでバックラッシュはやや多めですが気にならない範囲です。スピード/トルクの表記はありませんが、同クラスの W-084(0.12sec/60deg,1.5kg/cm) と比較して明らかに速く、トルクも大きく感じます。
デジタルらしいキーンというノイズを発している点はちょっと気になりますが、素早い立ち上がりと停止、保持力の強さはさすがデジタル、といった感じです。
消費電力については不明ですが、通常型サーボよりは多いことが考えられます。BEC容量等には注意が必要でしょう。
友人の話ではトルクの必要な400クラスの電動ヘリにBECで4個搭載しても特に問題は発生していないということです。さっそく換装です。胴体(Vテール)は W-084 と同サイズということもあり至極簡単。
リンケージのピアノ線を磨いて抵抗を減らし、ルーティングを修正して渋さを取ったこともあって非常に正確に舵面が追従するようになりました。エルロンサーボの方は一旦配線を切り離し、延長コードを半田付けします。
一回り大きい W-150 からの換装ですが、ロッドの出し位置などはそれほどズレず、特に問題ありませんでした。
ニュートラル出し、舵角調整を含め作動チェックを小一時間。モーターを回しても特に干渉することも無く、不安な点は見られません。テスト飛行は11月6日早朝、岐阜県某所の公園にて実施しました。
まあ、今まで良く飛んでいる機体ですし、トラブルが無ければ特に問題は発生しない筈です。
まず上空に上げトリムを確認して少しずつスピードを上げます。ここで既に操縦性に違いがあることに気がつきました。非常に舵がシャープで止まりも良く、「おつり」がありません。特にエルロンが良く、バンクがぴたりと止まります。いままでバンクのすわりが悪いのは翼の長いグライダーだから仕方ないと思っていましたがどうやらそうではなかったようです。
舵角の調整は以前と同じにしてありますので、これはサーボの追従が非常に良いことを意味しているのでしょう。若干舵が敏感にも感じますので、エクスポネンシャルを増やすか、少し舵角を下げても良いかもしれません。ダイブして目の前をローパスさせてみました。
以前のようにエレベーターに気を使って操作する必要はなく、そのまま素直に手についてきます。気になっていた舵の残りもありません。まあ、これはリンケージを修正した効果も大きいのでしょうが・・・。
また一味洗練された Monton の飛びを楽しみながら、ノートラブルで2フライトを終わりました。
心配していたサーボの消費電力ですが・・・・ごめんなさい、大容量のリポを搭載していることもあって、全く違いが分かりませんでした。「結論」 マイクロサーボ、サブマイクロサーボを搭載する小型電動機といえども、それなりの性能を追求するならばサーボにも気を使うべきであるということです。今回使用したデジタルサーボ HDS-877 は、安価なG社、W社の製品と比べれば若干高価ではありますが、その性能・特性は特筆すべきものがあります。数少ないサブマイクロクラスのデジタルサーボとして、選択肢のひとつに入れても良いのではないでしょうか?
本ページの画像は、Canon IXY
Digital50 で撮影、
VIX Ver. 2.21で加工し、作成しました