60'sソアリング・クラブ? 新春大曳航会 2008

2008.1.4
2008.1.15 写真追加

平成20年1月4日、岐阜ラジコンフライヤーズ飛行場において、60's Soaring Club? のトーイングの集いを開催しました。
普段はそれぞれのクラブ、地域で活動しているメンバーですが、たまには集まってグライダーを引っ張りましょうと呼びかけたところ、「それならば!」と当日に向けて新作機を間に合わせた者、従来機をトーイング仕様に改造してきた者、見学だけの者、かくも多くのメンバーが、ここ岐阜ラジコンフライヤーズ飛行場に集結してくれました。

前日までの寒波は去り、イベント当日はほぼ快晴で穏やかな一日となり、集まったメンバーは皆で協力し合ってスリリングな曳航を楽しみ、また、合間にはモーターグライダーやハンドランチ機などを飛ばして貴重な冬晴れの日を有意義に過ごしました。

 

朝9時、いよいよ大曳航会の開会です。
曳航の進め方、飛行の注意点、飛行場のローカル・ルール、そして、飛行場は決して借り切りではない事がブリーフィングされました。
(60's Soaring Club? は専用飛行場を持っていません)
ミーティング後には本日の記念ステッカー(表題のデザイン)が配布されました。

当日のPIT これだけグライダーが並ぶとどこかの外国みたいですね!

「当日の主な参加者」

シゲちゃん
当初からの幹部メンバーであるシゲちゃんは以外にもトーイング初挑戦?
3m と 4m、2機の Duo Discus を突貫工事で仕上げて参加です。
そのバイタリティーには恐れ入りました。だって、正月の時点ではまだこんな感じだったんですから・・・
magu さん
いつも曳航機のパイパーカブをお願いしています。ありがとうございます。
今回は新作機、Ka-8を間に合わせました。

→ maguさんのブログ Ka-8 製作記

Viper さん
氏の ASW-22B は当初からトーイングに参加。幾度かのトラブルを乗り越え現在一番安定している機体と思われましたが・・・・
今回はサブ曳航機としてピラタス・ポーターがデビューです
ちゃーりーさん
絶好調の DG-1000 のほか、クラシックなグライダー REIHER をトーイング仕様に改造して持参。
落下式ドリーまで装備しています。
1ρさん
トーイング初参加です
モーター仕様で楽しんでいた小型のスケール機、ピラタスB4に曳航フックを装備して参加。
同社機?ビラタス・ポーターに曳かれて見事なトーイング・デビューを飾りました
GOTO さん
こちらもトーイング初参加
以前飛ばしていたという DG-500 をレストア、本日のためにフックを追加装備して参加です。
ブランクがあったとはいえさすがベテラン! 危なげない見事な飛行を見せました。
とよでんさん
製作中のピラタスB4は残念ながら間に合いませんでした。
今回はモーターグライダー仕様 ASK-21 のみ。次回はぜひトーイングにも参加してくださいね!
新調したデジイチで多くの素晴らしい写真を撮影してくれました。感謝!
豊田の林さん
トーイングは見学ということで、持参したのはエンジン仕様のモーター・グライダー、スポルタビアです。
いつもながらの丁寧なフライトで魅せてくれました。
イトウさん
なんと! はるばる石川県から見学参加です。
筆者と同じ Discus CS を所持、今回はランデブー飛行を行いました。
はじめてトーイングを見てすっかり魅せられてしまったご様子、帰って早速専用機を注文されたようです。
WATさん
こちらも Discus CS、ピュア仕様の機体に自作モーターポッドを背負わせてセルフランチ
次の機会にはトウフックも付けてきて下さい!
めいじんさん
ご存知、カシオペアの加藤さんです。遠く奈良県からお越しいただきました。
同社の「小型グライダー用トーイングユニット」を搭載した Mini ASK-21 でトーイング参加
大型機に混じって素晴らしいフライトを披露されました。
筆者、CIVIL です
今回は新作機 Salto と、ダイエット改造後の DG-1000、どちらも初飛行で不安いっぱいのスタートでしたが・・・

その他大勢の方が見学にお見えになりました。

「フライト開始!」
本日の曳航機、パイパー・カブ(手前)とピラタス・ポーターが準備中

どちらもOS91SII(4サイクル)搭載です。
主翼上に曳航装置(フック)を付け、ラインを接続します。
もし上空で危険な状態になれば、曳航機の側でもラインを切り離すことが出来ます。

   

久しぶりのトーイングです。
まず実績のある機体で初参加の皆さんに要領を説明しながら飛ばすことにしました。
トーイング機は magu さんのパイパーカブ、グライダーは Viper さんの ASW-22B(左) とちゃーりーさんの DG-1000(中) です。
ところが ASW-22B が離脱後に操縦系統の不具合を感じて不時着、少破。残念ながらその日のフライトは出来なくなりました。
Viper さんにはその後、曳航機のパイロットと全体のサポートに回ってもらいました。

あれ? 実績のある機体に混じってちゃっかり曳航を始めようとしているのは???

CIVIL の Salto が初飛行に挑戦です。
前作 DG-1000 経験から、製作当初よりダイエットに努めた Salto は基本重量を約 150g 下回る 2,090g で完成、軽々と大空へ駆け上がりました。
改造したエレベーターのトリムが大幅に違うのにはビックリしましたが、その他は操縦性も素直で余裕の初飛行でした。
2回目以降は、ロール、ループ、背面飛行などダイナミックなアクロを披露。スタントグライダーの面目躍如でした。 → Salto 製作記
シゲちゃんの初トーイングは 3m の Duo Discus です。
コックピットやマーキングなど、細かい意匠はまだにしても機能的には完成。なんだかんだ言ってイベントに間に合わせてしまうところはさすがです。
それにしても重量級3kgはいかがなものかと誰もが心配しましたが・・・
結果、素晴らしいグライド性を披露。やっぱ、ヨーロッパ製のシャーレは違うぞ!
次は4m!
仲間内最大級の翼幅4m、4kg超えの Duo Discus がパイパーカブに曳かれて空へ
上空ではグライダーのほうが曳航機に追いつきラインが弛んでしまう場面もあり、さすがに力不足の感がありました。しかしうまくリリースしこちらも初飛行に成功!
Viper さんの新トーイング機、ピラタス・ポーター
パイパーカブと同じ 4C90 エンジン装備ですがスピードが速く、より大型機の曳航に適するかも。
でもなぜか当日は 1.7m のピラタスB4や Mini ASK-21 など、小型機ばかり引っ張ってもらっちゃいました。
前回のトーイングで全く余裕が無かった CIVIL の重量級 DG-1000
翼弦を約4%拡大、大幅なダイエットを施しての再挑戦ではまるで別機かと思うほどの性能向上でした。弱いサーマルも捕まえられるようになり、優雅なフライトが出来そうです。
諦めちゃいけませんね! → DG-1000 製作記

  

magu さんの新作機、Ka-8
絹張りにドープを10数回重ね塗りした同機はさすがスケール屋 magu さんらしい素晴らしい出来。パイロットの胸にも「60's Soaring Club?」ロゴが輝いてます。
もちろん初飛行も見事成功、ゆったりしたスピードで古典機らしい飛びでした。

  

ちゃーりーさんの REIHER も調子良く飛行しました。
離陸後にドリーがポロンと外れる瞬間の写真がこれ。(左)
ちゃーりーさんお手製のドリーはアルミ削り出しの高級品です。カンザシやトウフックユニットといっしょに製品化しません?(笑)
でもいったい幾らになることやら???

カシオペアの加藤さんを囲んで同社製品のオーナーが集合して記念撮影
Mini FOX や Mini ASK-21、みんな結構持ってるんですね〜
って、あれ?加藤さんは?? なぜかカメラを構えて撮影中。
左端でFOXを持っているのが加藤さんご同行の女性社員の方。
記念写真をもう一枚
CM Pro の Discus CS が3機参加。いずれもモーター仕様です。
最近本機のような中国製の機体が多く輸入されるようになりましたが、とてもリーズナブルで魅力的な反面それぞれに欠点もあり、オーナー同士の情報交換が欠かせません。

当日の素晴らしいビデオと写真をいただきましたのでここでまとめてご紹介します。ありがとうございました。
(写真はクリックすると大きくなります)

ビデオ(Youtubeへリンク)
WATさんご提供
Aero Tow Meeting part1
http://jp.youtube.com/watch?v=XyBekk1DtRM

Aero Tow Meeting part2
http://jp.youtube.com/watch?v=doXu1UK07g0

Aero Tow Meeting part3
http://jp.youtube.com/watch?v=41TD0T-_Yfw

Aero Tow Meeting part4
http://jp.youtube.com/watch?v=zyYN9TnvExU

Discus CS Self Launch
http://jp.youtube.com/watch?v=mtkVGtN-Scs

ビデオ
くにどんさんご提供
WMV形式13分
33MB ダウンロード注意!
シゲちゃんのDuo Discus(3m)
シゲちゃんのDuo Discus(4m)

めいじん(カシオペア加藤)さんの
Mini ASK−21 →

Viperさんのピラタス・ポーター(左)とASW−22B(右) 

ちゃーりーさんのDG−1000 →
と、CIVILのDG−1000 ↓

豊田の林さんのスポルタビア

1ρさんのピラタスB4 →

maguさんのKa−8
PIPER CUB

CIVILのSalto

ちゃーりーさんのライハー →

GOTOさんのDG−500 →

Discus CS →
(CIVIL、イトウ、WAT)

 

今回はトーイングがはじめて、あるいは久しぶりというのメンバーが多く、コツを飲み込むまでには地上で転がったり上空でラインが絡まったり、ちょっと危ない場面もありましたがうまくリカバリーして機体を壊すまでには至りませんでした。
しかし、事故は最後に起こりました。

  

初飛行ではうまく飛んだシゲちゃんの4m Duo Discus でしたが、2回目の飛行でリリース直後から操縦不能になり川の中に墜落、30分以上水面を漂った後、岸に近づいたところで何とか回収に成功。
ほぼ無傷で回収できたのは不幸中の幸いでした。
原因は、重心調整用に機首内にベルクロで止めてあった錘が剥がれ、重心が大きく後退したのではないかと推定されました。
トーイング中、ラインが弛んだり張ったり、一時的にはかなり大きな力がかかる可能性があるので特に錘などはしっかり固定する必要があります。グライダーでは翼弦が短いので少々の重心位置変化が操縦性に大きく影響を及ぼします。

昼〜午後にかけては西寄りの風が多少強く吹いたもののトーイングに大きく影響するほどではなく、合間にモーターグライダーの飛行などを挟みながら、夕方までに各機それぞれ 2,3 回のトーイングを行い、冬の一日を楽しみました。
次回は何か趣向を凝らして、タイムラリーとか、定点着陸とか・・・また企画しようと約束して、メンバーはそれぞれの地へ去っていきました。
参加の皆様、どうもお疲れ様でした。

(注):岐阜ラジコンフライヤーズ飛行場は会員制の飛行場であり、通常ビジターのみでのフライトは出来ませんので申し添えます。

本レポートの写真は、とよでんさん、めいじんさん、maguさん、豊田の林さんほかからご提供いただきました


  
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